同じ穴に住んではいるが-2

安倍首相が内閣を改造し、党役員人事を行った。賛否両論、盛んにマスコミで論評しているが、一方でモリカケ問題からの、両者の意図的な目くらましでもある。

「実務者」内閣だと首相が最初に胸を張ったとき、NHKでは政治部記者が「その通りだと思います」と言っている。まさに地に落ちたマスコミのなれの果てと言いたいところだが、まあいい。この顔ぶれが本当に「実務者」揃いなのか、それが「その通り」なのかは、すぐに分かるだろうから。

生態的に見ると、これはコバンザメ一家のようだ。親コバンザメにびっしり付き従っている子コバンザメを見るようだ。コバンザメは穴には住まないが、まあ同じお腹(住まい)にくっついている、一家であることは同じようなものだ。ただし、子コバンザメは、その親にくっついているのが、普通の種類と異なる。

困ったことは、孫コバンザメ、ひ孫コバンザメと、次々と小さいやつができつつあるらしいことだ。子コバンザメ、孫コバンザメとも実は血は繋がっていない。自分の取り分を横取りされたり、噛みつかれたりすると、怒ってお互いに食い合うことさえある。けれど、今のところは親コバンザメの図体が大きいので、とりあえずは同じ穴、じゃなかった、腹違いの腹にくっつき合っている(その後どうなるか、某水族館にて観察中)。

ブラック・アウト

台風21号が、近畿、特に大阪で大きな災害を引き起こしながら北海道の西側を通過した。その直後の今朝3:08分、苫小牧に近いところで起きた震度7の大地震。「北海道胆振地震」と名付けられたそれは、地震そのもののエネルギーに比して、格段に大きな災害になりつつある。

北海道のほぼ全域、295万戸が一斉に停電するという、ブラック・アウト、未曽有の出来事。交通網のダウン。日本のインフラのシステムが巨大災害に対していかに脆弱であるかが、再び露呈した。この影響は東電福島原発事故のように、おそらくあとあとまでその影を引きずることになるだろう。大量のデータの喪失、機会の逸失などがその最たるものとなるに違いない。当面の経済的、物理的損失ももちろん莫大なものだ。

けれど、関東では何となく気持ちが薄い。報道は大きいものの、直接の死者数などが少なく見えるからかも知れない。台風21号による関西空港、近畿大阪のニュースがまだ続いている中、九州の地震、瀬戸内、北陸の風水害の復旧半ばの中で、どことなく災害に慣れっこになってしまった感じだ。けれど、北海道全体というのは、それとはまたスケールの異なる、決して慣れてはならない、恐ろしい災害だ。仮に関東全域が停電するという事態を想像してみると、それが半日も続いたら、世界の中での経済的ダメージの大きさは計り知れない。悪くすると四半世紀は遅れることになる。

せめて前向きに捉えるとするならば、首都直下地震への、リアルなシュミレーションであり、南海トラフ地震への備えを国民的規模で喚起することになる、ということか。「いずれ、必ず起きる」とされる、これらの地震災害への備え。けれど、一方で日本の政治・行政機構において何度も繰り返される、歴史的教訓の無視。「災害は常に盲点を突く」。今度の教訓を無視した時、日本は終わる、と考えている。

ボウズウニと呼んでくれ

今日は下北もかなり暑い。お昼前に24°だったから、最高気温は26°にはなったと思われる。昨日、突然漁協から、今日(13日)ウニの解禁をするという放送があった。

今年は海が荒れ、7月に1回しか解禁していないという。すると、7月18日に送って貰ったウニはその時のだったのだろう(7/18「ウニ食べました」、7/19「ウニの歯」)。通常なら7月後半から8月半ばに、ウニは産卵期に入る。資源保護の観点からいえば、この時期にウニを採るのは自殺行為に等しい。それでも解禁するのは、お盆で帰ってくる息子、娘たちにお土産としてウニを持たせてやりたいという親たちの圧力が強いということなのだろう。

お盆準備でたまたま知人宅へ寄ったら、ちょうど海から帰ってきたところだった。採りたてのウニを少しだけ貰ってきた(写真)。黒く見えるムラサキウニの隣は浅瀬に生息する、棘の短いバフンウニ。地元では馬糞などと汚い呼び方はせず、坊主頭の意で、ボウズウニと呼ぶ。ムラサキウニより味がきりっと締まり、微妙で、ずっと美味しいが、市場で見かけることは滅多にない。

このウニは子どもや潜れない女性でも十分に採れるので、漁協に対するお母さんたちの解禁圧力は相当なものだったろう。ボウズウニと、ムラサキウニを適当にミックスして食べるのが至極。水分を取って、塩蔵したウニも絶品である。