団地の夕陽(試作)

「団地の夕陽」試作 この絵はウインクすると、よく見えます

銀座でのグループ展、「風土に生きる・第10回展」を昨日(2023.10.28)終了しました。

このグループ展はこの後も続くことになりましたが、わたし自身はこの10回展を以て、(すでに公表しているように)離脱することにしました。それは自分自身の考え方によるもので、展覧会やメンバーに対する不満があったわけではありません。むしろ、10年間良い勉強をさせて頂き、感謝以外にありません。

「夕陽」試作です。(一昨日の、未完状態よりつまらなくなってしまいましたが)この段階においても、いくつも技術的な問題が出てきました。それは次の試作で解決されるはずですが、そこで、また新たな課題が出てくることでしょう。その繰り返しで一つの作品に結実すれば言うことはないんですけど、作品ができるにはそんな解りやすい道筋ばかりとは限りません。むしろ、そこから絵画の旅が始まるとでもいうようなものです。

ざくろ

ざくろ

水彩教室のSさんにねだって石榴(ざくろ)を何個か頂いた。食べるためではなく絵のモチーフとして。単体でも良かったのだが、枝付きの石榴はもっといい。とりあえず3枚ほど描いてみたが、今年はざくろを描きたいとずっと思っていたせいか、なかなか満足しません。

このスケッチはわざと安物の、少しバサバサしたナイロン製の筆で描いています。荒っぽさを出してみたかったからです。高級な筆はもちろん使い良いのですが、そのぶんきれいに出来過ぎてしまうマイナス面もあります。きれいな色はいいのですが、それが多少の荒さと結びつくと、より生き生きとするのではないかと思ったのです。

日本ではザクロを食べる習慣のある地域は少ないようです。実も小さく、酸味も好まれないからでしょうか。スーパーなどで売っているのを見かけたこともありません。南アジア、中東では露店でもよく見かけます。ジュースに加工したり、そのまま食べたりするようですが、何しろ日本の数倍の大きさがあるのできっと食べ応えもあるのでしょう。

ザクロは英語でPomegranate(ポングラネート)だそうです。pomeはリンゴのこと。リンゴように丸いからでしょうね。granete のもとの意味は「種子」。種の多い果実だからでしょう。ただ、今ではGranate といえば「手りゅう弾」と思う人の方が多いかもしれません。戦争の多い20世紀以降、使われる頻度はこちらの方が多いのではないでしょうか。ザクロの色はGarnet(ガーネット)、和名では柘榴石(色)です。マゼンタに近い色ですね。

やさしい秋

ほんのりと、やさしい味のかぼちゃ。茹でただけ
写真を撮る前に食べてしまうところだった。デザートの梨までは手が届かなかった

やさしい味のかぼちゃができた。かぼちゃは年中よく食べる。こくこくしたもの、味付けしたかぼちゃ、少しべちゃっとしたものなど、産地や調理?の仕方などによって味わいはずいぶん変わる。どちらかというとわたしの好みはコクコク派だが、どれでもまあ、嫌いということはない。基本的にかぼちゃ好きである。

今回はあっさりした味で、なんにも手をかけていないという。その上にヨーグルトをかけて食べるつもりでいたそうだが、わたしはそのまま、かぼちゃだけで食べた。北海道産というわけでもないだろうが、これはコクコクしていない。味も濃い方ではないが、水っぽいというわけでもない。人によっては物足りない味かも知れないし、わたしもそんな気もしないではなかったが、適度な柔らかさと、ほんのりした甘さが、この夏の厳しい暑さに疲れ気味のわたしにぴったりきたのかもしれません。

暦の上ではとっくに秋なのに、気温はまだ真夏のまま。平年の最高気温が、今年の最低気温に近いのだから秋など感じられるはずもない。そうなのだが、スーパーへ行けば栗が出ている、トウモロコシも出ている、梨もサンマももう食べた。外を歩けば石榴が実をつけている。やっぱり季節は秋へ秋へと進んでいるのである。

美味しい秋、は普通だが、たまたまやや出来損ないの茹で方が、わたしに「やさしい秋」をもたらしてくれた。強さや激しさより、「適度」の良さがすこし分かってきたのかもしれません。