クリスマス・イブ

「Apple」 F6 tempera 2019

昨日はクリスマスだった。さらにその前日のイブの夜、子どもが大学から帰ってきたのが11時に近かったので、その前に仕方なく夕ご飯を二人で食べてしまった。料理下手の妻にしては、あれこれ工夫して作ったクリスマスのご馳走の方には手をつけず、テーブルに冷えたままにして妻は疲れて寝てしまった。

私は車で駅まで迎えに行く。帰宅後子どもはゴソゴソとどこからかカップラーメンとスナックを引っ張り出してきて、それだけを食べ、せっかく作ったものには手をつけないまま、彼もまた疲れてその場に寝てしまう。私は彼が起きるまで(あるいは彼を無理やり起こすまで)アトリエで絵を描くか、しばらくパソコンで作業する。若い人のいる家庭では珍しくない情景に違いない。

水彩+パステル −2

「小さなランプのある静物」F6 水彩+パステル 21Dec’19

「水彩+パステル」では彩度的にパステルが目立ちがちになる。しかも凸凹のテクスチャーも目を引きやすい。この絵は水彩をベースに表現したいので、パステルの出番はできるだけ抑えてみた。

水彩とパステルでは、組成上パステルの方が彩度が高い。つまり鮮やかで目立ちやすい。だからこの2つの組み合わせなら、目立つところ、明るいところへパステルを使う方が効果的だと言える(水彩は暗い部分、広い部分を受け持つことになる)。けれどご用心。目立ち過ぎはご法度。ほどほどが大切でござるよ。

10点ほど続けて、表現としては水彩単独より目を惹きやすいのは解った。でも、なんだかちょっと飽きてきた。水彩+パステルというより、この描写的な表現法に飽きてきたようだ。テーブル面や影の描写に「もうたくさん」と描いてあるのを感じますか?

水彩+パステル

「冬・午後」2019 F10 水彩・パステル

水彩+パステルという組み合わせで描くのが、ごく最近の試み。水彩とパステルの組み合わせ自体はごく一般的な方法なのに、自分の中では作例が少なかった。改めて始めてみると、両技法のいいとこ取りができるだけでなく、水彩、パステルどちらのハードルも低くなることがわかってきた。これはとても有用な発見だ。ぜひ多くの人に勧めたい。

ハードルが低くなるという意味は、例えば上の絵では、人物の顔を水彩で描くとき、パステルを使うことを前提にすると顔の色は赤黒い面でグルグルっと塗ってしまえばそれで十分。水彩だけで描くようなデリケートなテクニックなど不要。後はコンテで強い輪郭線、水彩で塗られた面より明るい色だけをパステルで、光を描くつもりで書けばよい。パステルは暗い色が苦手だが、そこを水彩で下塗りをしてもらうので非常に楽に描ける。パステルの色数もたくさん揃えずに済み、一石二鳥。

問題はパステルの定着力くらいかな。定着液でしっかり止めようとすると、パステルの鮮やかな色が沈んでしまう。ギリギリ最小限に留めておく方がよい。まあ、粉末状の絵具は落ちるものだと考え、あまり永久性にこだわらない方が楽しくできそうだ。