初雪-2

「初雪(那須岳遠望)」  水彩 F6

一昨日と同じモチーフ。今回はあえて定番の「道」を入れてみました。やっぱり構図としては平凡になります。杉林を広葉樹風に変え、そのうえ(特に近景は)色もできるだけ省略するようにしたので、一見、桜の時期に雪が降ったかのように見えるかもしれませんね(桜を描くときには使えそう!)。白い部分は紙の塗り残しです。

いまのところ、YouTubeにアップするための練習を兼ねて水彩制作を続けているので、あまり自分らしくない絵が続いて、ややフラストレーション気味です。これでも写真とは結構変えているのですが、さすがに「やりたい放題」からはかなり遠いですね。とはいえ、描くこと自体は嫌な筈もなく、枚数を重ねてくると、だんだん水彩に慣れてくるというか、技術的にも小さな発見が毎回あるのが楽しみでもあります。

「初雪」を描く

「初雪(那須にて)」
現場写真

昨夜から今朝にかけて関東の山沿いにも初雪があったらしい。いよいよ当地は当地なりの「冬」の到来だ。那須岳(茶臼岳)を撮った写真があったので、初雪をテーマに描いてみました。実際この時も初雪だったように記憶しているが、確信はありません。

下が現場写真。車を路肩に寄せ、運転席から撮ったものだと思っていたら、どうやら誰かに載せてもらい、助手席から通りすがりに撮ったものらしい。たしかに(自分が撮るなら)写真の構図としても中途半端な位置取りだ。あえてこれを何とか絵にしてみることにした。

写真になくても道の想像はつくが、あえて道はぎりぎり入れないことにする。大きな変更は「電柱」の大きさと位置。電柱のサイズを小さくしたぶん、山が大きく感じられるような気がするのですが、どうでしょうか(実際、比率的にも大きくしてあるが)。左に(実際にもあるが)林の一部を追加して、視線が左から外に抜けてしまうのを防ぎます。

空と雪の明暗を逆転。雪の白さを強調しました。これで「初雪」がテーマであることがはっきり伝わると思います。山裾には意識的に赤味の色を加え、「秋の終わり感」を表現しています。ただ、山全体はもう少し軽く描いて、距離感を出した方が良かったかなあ、とも感じます。

暗い風景が苦手

バルーンフェスティバル(水彩)

先週土曜日のバルーンフェスティバルの様子を、一部変えて水彩に描いてみた。

一見単純な構図で簡単そうに見えたが、描いてみると意外に難しい。まず、画面を(クリアーな感じで)全体に暗くすること、つまり夜の感覚を描くことが技術的にも難しい。そして、いくら暗くても白い気球は白く見えなければならず、左の赤い気球は赤く見えなければならないという、「明度と色」の使い方など。

地面の明るい光やバーナーの燃焼の明るさなどが難しいのでは、と多くの人は想像するかもしれないが、それは実は大したことはない。むしろ、中央のバルーンの赤から青への色のストライプの彩度、気球のつなぎ目の線の表現など、単純だが色を識別する能力とそれを適正に描写する能力とのコンビネーションが要求される。小さい画面(F4)なのに3時間もかかってしまった。

これは油彩で描く方がずっと楽に描けそうだ。微妙なグラデーションのコントロールは、油彩の方が水彩よりはるかに合理的にできる。もう一つ考えたのは、黒い紙に色鉛筆で描くこと。これも制約はあるが、まあ、こちらも水彩よりは楽に描けそうな気がする。
 考えてみると、特に透明水彩は絵の具を薄く溶き、下地の紙の白さを生かすことで成り立つ技法なのだから、暗い風景が苦手なのは当然といってよい。だからといって、諦めていいというわけではない。描けばできるようになる、とも思う。