それにつけても

Astronaut (part) f4 Mixed-medium 2011

昨日AKB48の総選挙結果が発表された、そうです。ネットでは何度か目にしたが、全部で何人いるのかさえ分からないし、個人名も曲名も全く知りません。2軍も3軍もあるらしいから、すごい数のメンバー?なんだなあと思うくらい。あるテレビでは「社会現象」と呼んでいたから、もしそうだとすると、私は社会現象に興味を持たない、世捨て人ということになりそうです。

スペイン・カタルーニャで村上春樹氏が文学賞を受賞し、そのスピーチに原発問題を取り上げ、脱原発と「効率偏重」主義からの脱却の2点を強調したと、少し話題になっている。その前にイスラエルで同様の賞を受け、そこでのスピーチも話題になった。今回のスピーチ全文を読んだが、別にどうというほどのものでもない。でもそれが話題にされること自体、さすがノーベル賞候補№1ということですね。私には、サイン会で女性読者が次々とキスを求めるのでえらく時間がかかったという話の方が、いかにもスペインという感じがして面白かった。

それにつけても日本の政治家って、どうしてここまでピントが外れているのか不思議でならない。震災対応をしていないわけではないし、事故の収束に向けて努力していないわけでもない、予算は必要だから成立を急ぐのは間違ってはいないのだが、的を射ているとはとても思えない。お腹が空いているのに食堂のサンプルの前で料理のうんちくを自慢しあっている感じ?しかも実際に食べたことのある人が実は誰もいないとか・・。そのうえ後ろに並んで怒っている人たちのことなど全然見えず。要するに困った人たちだ。被災地でも変な地元優先意識や、縄張り意識が芽生え始めているとも聞く。枝葉に捉われない、子どものような真っすぐの目を彼ら政治的白内障患者に移植してやりたいという感じです。    2011/6/11

絵を描く理由

White rose (part) f8 watorcolor 2011/6/8

3月11日以来、ほぼ1ヵ月ごとに大きなショックに襲われ続けています。大津波の被災者に較べたら・・と思ってはみるものの、続けさまに起こる衝撃は私自身にとってはこれまで経験したことのないほど厳しいものばかり。

いろいろ対応策を考えてみるものの、今のところ焦りと苛立ちの中で、なす術もなく日を送っています。時間がなにか解決してくれるわけではありませんが、何も手に付かないというところです。

大震災の衝撃はとても絵など描く気持ちにさせてくれなかった。今は自分自身が精神的に安定するためにも描かなければいけないと思うものの、頭も体もやっとついていくという感じです。

でも、描けばたとえ一時的にでもほっとするのは確か。頭が動き始め、体もほぐれてくるのを感じます。私にとって絵は自分自身より有り難いような気がします。何とか描き続けて、絵に捧げられるような絵を描きたいものだと思っています。   2011/6/8

アトリエの友

アンスリウムなど  f6 watercolor 2011/6/4

アトリエの友とは、アトリエの必需品のこと。画材以外の、たとえば制作の前に必ずお線香をあげる人がいれば、それのこと。私の師(彫刻家)はそうだった。もちろん蚊取り線香ではないよ。非常にいい香りの(白檀という香木を原料にしたもの)、長さ30センチはある線香をたて、自分への誓いをつぶやき、確認してから毎日の制作に入っていた。燃え尽きるまで2時間以上はかかったと思う。私も一時真似をして、それより1ランク下の線香を立ててから制作したことがある。とてもいい香りで確かに落ち着き、集中力が増すような気はしたが、お金が続かなかった。毎日1本となるとね。その頃は筆もほぼ毎日1本擦り切れ、年間300本の筆を消費していたから、そちらのお金が優先だったし。・・・今よりずっと頑張っていたなあと思いだすと、ちょっと悔しい。

今はデッキチェアがアトリエの友だ。最近は睡眠時間が滅茶苦茶になってしまい、夜・昼関係なく、いつ眠くなるかわからなくなってしまった。運転中に急激に眠くなり、ぶつかりそうになったことも何度か。夜も眠くなるから寝るというのでなく、寝ないとまずいから寝るという感じ。制作中突然眠くなる。ほんの少し時間を措くと、もう眠ることはできないので時を逃さず急いで眠る。折りたたみのデッキチェアとアイマスクが今は必需品。二か月前は考えもしなかったが。

S氏という画家がいる。顔だらけのユニークな画風で有名だが、この人のアトリエの真ん中には何故か「島」がある。床を海に見立てると、二段ほどの崖を経て上が平らな、二畳ほどの広さの台地状の島に見える。眠くなればすぐ横になるための設備だという。

ある美術雑誌に掲載された、この島に寝転んでいるS氏の写真を見て大笑いした。画家のアトリエとは想像もできない、まるで阿片窟(見たことはない。想像で)に横たわる中毒患者そのままの異様な感じの写真だった。お客とはこの2畳ばかりの島で向き合ってお茶を飲む。男同士ではあまり居心地の良くない島だった。  2011/6/4