医療者目線

傷の様子 (手前はモニター)
傷の様子 (手前はモニター)

点滴がうまく入らない。これまでは太い針でもちゃんと出来ていたのに、細い採血針にしたら(容易になった筈なのに)出来ないという。

2人が2回ずつ失敗し、3人目のベテランが2度目で入れた。先の2人は単純な技術不足。ベテランは一発で痛みもなく入れた。そこまでは良かった。安心して休もうと毛布かけなど動いたので針がズレ、皮下注射になってしまった。次第に痛みが出、皮膚も膨れてくる。

戻ってきたベテランは、動いたアンタが悪いと言わんばかりの不服顔。こちらも何度やり直せば済むのか、という気分。今度は右腕にやると言う。手術後で、左腕はあまり動かすなという指示なのに、右腕では何かあっても困るといったら、左腕にはもう刺すところがないという。「たった30分、我慢出来ないの?」その言い方が医療者目線そのものだと思う。

1回目うまくいった時、「30分動かさないで下さい」と言えば、それでうまくいった筈。医療者なら動かさないのが常識でも、患者にはそうとは限らない。まして、直前までの点滴では、手を動かすのは自由だった。点滴の仕方が変わりますと事前に聞いていたから、そこまでは共有されていた筈だ。

患者目線に立てば「(これまでのと違って)30分ほど動かさないで下さい」の一言が重要だ。「患者目線」「消費者目線」と簡単に言うが、意識を変えるのは容易ではない。このあと、点滴液が無くなり(普通は点滴液が無くなる前に来る)、ナースコールをしても暫く誰も来なかった。もしふてくされたのだとすれば、もう医療以前の精神レベルだという他はない。

まだ半分は夢のようだ

病院から。雪が残っている
病院から。雪が残っている

昨日の雪が残っている。ニュースを見てないが、11月の雪としては記録に残る程のものらしい。

ペースメーカー埋込の手術から半日経った。傷口の痛みは(動かさない限り)ほぼ気にならない。看護師の中にも、動かしても良いという人と、動かさない方がいいという人とがいる。肝心の医師は、自分の切った傷の心配はするが、ペースメーカーやケアについては提供メーカーまかせ、という感じがする。

医師も風邪気味と分かっていて手術したのに、風邪の心配は全然してくれない。お陰で激しい頭痛と鼻水、咳で一晩中ほとんど眠れなかった。風邪で死ぬことはないだろうって、感じか。

火曜日までは手術を要するほど心臓が悪いなど、健康診断でも聞いたことがなかった。寧ろ良い数字ですと言われるほどだった。それが一転して入院、しかも2日目でペースメーカーの埋込手術。「あまり時間的余裕がない」「意識喪失、場合によってはそのまま心停止もあり得る」ってなに?夢かと思っても不思議はないでしょう?早まった手術をしてしまったのでは?と手術後でも心に残っていた。

埋め込まれたペースメーカーからのデータをチェックしてもらうと、「ペースメーカーを入れてないと、そういうことがあり得るというデータが出てます」と言う。早まったわけではなさそうだが、まだ信じられない気持が残っている。

 

入院してしまいました

ベッドから
ベッドから

一昨日の夜、入院してしまいました。完全房室ブロックというのが病名。心電図を見せてもらい、どこが悪いのかと聞いたら、「図全体」。簡単に言うと、心臓から全身に血がキチンと送れない、のだそうだ。電気信号が心房から心室へ正しく伝わらず、心室の拍動が通常2〜3回拍動するところを、1回位しか拍たないため、正常の半分〜1/3しか血が送れない。このままでは、意識を失って倒れたり、場合によってはそのまま心停止に至ることもある、危険な状態だと。

病室では絶対安静。トイレに行くことも禁止。

突如、今日これから手術に。明日だと聞いていたのに。でも早い方が先生も都合良かったのだろう。今日は数十年ぶりの雪らしい。身体にも記憶にも残る日になるに違いない。