東京どんぶりピック

ノーベル賞受賞者は、日本では東大、京大出身者が主だから、そこだけに教育予算投下すれば安くあがる、などと言うバカなやつ(政治家も)がいる。呆れるというより、悲しすぎる。その人たちの支えとなる膨大な研究と協力なしで、成果など出せるものか。

日本中の大学から、優秀な研究者をさらに輩出するにはどうしたらいいかと考えるのが政治家の仕事だろうが、そのような政治家は票狩と権勢欲以外に頭の使い方を知らないようだ。

各社新聞の電子版を読むと、2020東京オリンピックへの予算は(予想通り」)どんどん膨らみ。現時点で、単純計算では2兆8100億円が関連予算として計上されているという。これは「大会に直接必要なもの」に限られ、行政経費などは含まれていないという。

やっぱりね。組織委員長の森元首相は「これをもとに新しい事業が展開できるなら安いものだ」という意味のことを言っているらしい。「できるなら」が曲者だ。具体性が何にもなく、「なら」という仮定の言い方で責任もない。けれどもカネはしっかり遣う(どんぶりとはこのことだ)。しかも、この予算はさらに膨らむと予想されている。

いつもの、公共事業という型枠、流し込まれる使い放題の甘い汁。オリンピックへの参加ではなく、開催したがるのは、そこに専用の甘い汁椀を作れるからだ。そこからほんの幾つまみかを、アジ塩のように国民に振りかけて、こっそりと次の、そのまた次の票まで買い叩く。この国の(愚民化)教育の成果だ。

同じ穴に住んではいるが-2

安倍首相が内閣を改造し、党役員人事を行った。賛否両論、盛んにマスコミで論評しているが、一方でモリカケ問題からの、両者の意図的な目くらましでもある。

「実務者」内閣だと首相が最初に胸を張ったとき、NHKでは政治部記者が「その通りだと思います」と言っている。まさに地に落ちたマスコミのなれの果てと言いたいところだが、まあいい。この顔ぶれが本当に「実務者」揃いなのか、それが「その通り」なのかは、すぐに分かるだろうから。

生態的に見ると、これはコバンザメ一家のようだ。親コバンザメにびっしり付き従っている子コバンザメを見るようだ。コバンザメは穴には住まないが、まあ同じお腹(住まい)にくっついている、一家であることは同じようなものだ。ただし、子コバンザメは、その親にくっついているのが、普通の種類と異なる。

困ったことは、孫コバンザメ、ひ孫コバンザメと、次々と小さいやつができつつあるらしいことだ。子コバンザメ、孫コバンザメとも実は血は繋がっていない。自分の取り分を横取りされたり、噛みつかれたりすると、怒ってお互いに食い合うことさえある。けれど、今のところは親コバンザメの図体が大きいので、とりあえずは同じ穴、じゃなかった、腹違いの腹にくっつき合っている(その後どうなるか、某水族館にて観察中)。

同じ穴に住んではいるが

ある日

デジタルニュース(8/25)を読んで驚いた。アメリカ大統領になる前のトランプ氏と一時ビジネス・パートナーだった、カジノホテル「トランプ・プラザ」現経営者の、オドンネル氏へのインタビュー記事。

トランプ氏は「AとZ」だけ、と氏は言う。思いつきと、結果だけ。途中には色々あるのに、そこに関心はないと、オドンネル氏は言う。あるプロジェクトの実現に向かって細かい数字を積み重ねてみると、「赤字になる」と警告するが彼は意に介さない。「大丈夫だ」。そして最後の決算で「なんで100万ドルも赤字になるんだ!」と叫ぶ。

考えてみると、トランプ氏は「特別になった」人ではあるが、決して「特別な人」ではなさそうだ。トランプ氏の様々な発言に、様々な違和感を覚えるが、それよりもっと多くの部分にむしろ日本人との共通点があるように思える。「長い交渉が苦手」というのが一番。

トランプ氏自身は交渉が得意だと思っているようだが、交渉というより単なる威圧であり、イエスかノーかしかないという、戦前、戦中にかけて日本がアジアに示した「交渉」のやり方そのものではないか?

安倍首相はトランプ氏と仲がいいことを盛んにアピールする(見苦しいほど)。これまでのアジア各国や国内でと様々な問題への対処を見ていると、安倍氏もどうやらトランプ氏と同じ「威圧的」交渉しかできない、同じ穴のムジナのようだ。仲がいいのは今のうちだけかも知れない。お互いに「イエスかノーか」ではいずれ衝突するに決まっている。コバンザメが、普通のサメに変身できるならば、という前提だが、そんな前提などあるはずもない。