忙中閑あり

           「クリスマスが近づく」  水彩

寒くなってきましたね。北海道や東北に比べれば暖かいといえる関東でも、昨日は東京・八王子でも小雪が舞ったらしいじゃないですか?わたしの住む関東平野部でも、「雪になるかも」だったが、最終的にそこまでは冷え込まず、「冷たい雨」にとどまったところが多かったらしい。

昨日、灯油(18ℓ)を2本買った。空気汚染に関して、灯油などの “化石燃料” を敵視し、オール電化にすべきだと主張す人々がいるのは知っているし、その主張の意味も理解できる。けれど、2011年の「東日本大震災」で「灯油」ストーブがどれほど貴重な暖房、炊事、コミュニティで役立ったかを、わたしはどうしても忘れることができない。

震災直後、物置の奥から引っ張り出して来た石油ストーブは、 “停電で役に立たなくなった” 暖房専用のファンヒーターやエアコンと違い、暖房だけでなく煮炊きも同時にできる “救世主” になった。洗濯物を乾かすことも、必要な乾燥物をつくることもできた。お湯を沸かせることの恩恵を書いたら、この記事がそれだけで埋まってしまうほどだ。
 乾燥した空気による呼吸器系の感染を未然に抑えるなど、中規模病院での医療にも「石油ストーブ」は活躍したと聞く。同じその火が、そこに顔を合わせる災害時の家族の、心の安心感も支えてくれたに違いない。何と大きな恩恵だっただろうか。
 火と熱と明かりが同時に得られる(石油)ストーブは、オール電化の落とし穴を、「ここだよ」と直接指さしてくれたように思う

ポインセチアを描くとき、いや,花を描くときは、どんな花でもいつも室内の「乾燥」が気になる。というより、気にしない方がおかしい。といって、ケア最優先じゃ絵が描けない。一枚の絵を見るとき、そんな “厨房仕事” の方がふっと脳裏に浮かぶことがある。

「山荘の初雪」をアップロードしました

「山荘の初雪」をアップロードしました。1週間でアップすることを目標に編集してみたが、ぎりぎりだった。だいたい、何を描くかに一週間は考えている。そして1週間はなんだかんだと忙しく、編集には頑張っても1週間かかる。つまり、3週間ペース(それ以外の問題がないとして)。優秀なYouTuberから見たら、「やる気なし」に分類にされる投稿頻度。

YouTubeは純然たる一つの「会社」。投稿が無料だからといって決してボランティアなどではない。投稿を有料にしたら、逆にYouTubeが儲からないから無料にしているだけ。99%のYouTube投稿者は、YouTubeの利益に貢献しているだけで、(自己満足できるならばそれでもよいが)いわゆる「収益」なんて無い。

収益を上げられるチャンネルの多くは「会社組織」になっているようだ。数だけから言えばわたしのような純粋個人が多いだろうけれど、実際の作業は一人では本当にしんどいし、アイデアも広がらない。健康を害する人さえ少なくないと聞く。それは実感としてよく解る。

このビデオで描いたスケッチは実景ではない。取材は秋の小春日和の日だったが、それを雪景色に替えてみたもの。現実に雨や雪が降る野外で描いたこともあるが、油絵は大丈夫だが、水彩では限界がある。
 小石が飛んでくるような風の強い日、煽られる紙を体重で地面に押しつけながら描いたこともある。断崖の上から描いたときは、海から飛んできた潮の粒が、水分を吸って独特の模様を作って驚いた。描いているうちに筆と筆洗の水が凍ってしまったり、そういう制作風景が、いまならYouTubeで受けそうだが、当時は目の前の時間を捉えるのに必死だった。

北海道・三陸後続地震情報

       「山荘の初雪」 水彩 (本文とは関係ありません)

2025年12月8日午後11時15分頃、青森県東方沖地震発生。マグニチュード7.5という、かなり大きな地震エネルギーが発散された。青森県八戸市では震度6強。大きな被害がテレビなどで報道されているが、震度の大きさや発生の時間帯を考えると、(現時点では)死傷者もほとんど無いらしいのはラッキーだといえるのではないか。

わたしの故郷、東通村は震度5強。たまたま早めに休もうと、ベッドに入った直後の緊急地震速報の警告音。次いで「青森県東方沖・津波注意報」から、モニターをオンにし、起床。その時点で注意報が津波警報に変わり、高さ3メートル、しかも既に到達しているという。実家の目と鼻の先にある東通原発もすぐ脳裏に浮かんできた。
 23時30分頃、返信がきた。「15mの高さのところに避難したから心配しないで」とある(東日本大震災を思い出すと、15mなど安全圏ではないが)。妹の家族も緊急避難でき、いずれも寒さは車の中で凌いでいるとのこと。翌日遅く、衝撃の激しさから想像したよりは、ずっと被害が少なかったとメールがあった。

「後続地震情報」というのは、今回初めて発令されたらしい。いくつかの巨大地震の前後を調べてみると、前兆となる大きな地震、その少し後にさらに大きな地震というパターンがあるので(確率1/100)、今後1週間を目途にマグニチュード8クラスの地震が起きる可能性に備えよ、という注意喚起である。
 北海道東岸から千葉県房総半島まで100以上の自治体が対象という。自治体にとっても、個人・法人にとっても半分ありがた迷惑なような、「微妙に重要な」情報である。「注意報」ではなく、形式上は単なる「情報」だから発する側に責任はないが、受ける自治体はそれを無視することもできず、対応に苦慮するのは目に見えている。
 地震大国日本の面目躍如?といったところだが、いわゆる “コスパ(対費用効率)” がめちゃくちゃ悪い「情報」だ。「でも、もしも・・・」想定外の人的被害などが出た時のあと始末を考えると、自治体の地理的条件によっては、(結果的に)「過剰になる」と想像できる対応でも、あえてやらざるをえないところも出てくるかもしれない。なにせ「一週間」の期限付きだし。しかも100%税金なうえ、99%の確率で無駄に終わる可能性があるといいつつ、「気象庁がそう言った」という「言い逃れ」つきだ(と言っては申し訳ないが)。
 自治体としては自力で判断せざるを得ないが、そんな専門家など大都市の役所以外には居るはずもない。じゃあ出さなければいいのかというと、それに真っ向反論する知識もない。

「(災害が)起きてからの自衛隊頼み」ではなく、こうした問題を常日頃から研究、訓練、実施する「災害庁」のようなものを作るべきではないか、という議論が石破内閣で始まりそうだったが、高石内閣誕生と同時に雲散霧消した。災害は内閣の政策に関わりなく、誰が総理大臣であっても、今すぐにでも起こり得る。早急に創設を検討すべきではないか。