タコノマクラ

「タコノマクラ」 ペン

「タコノマクラ」って何ですか?ウニの一種(毒はないようですが、ほぼ食用に適しません)で、中央が若干高いくらいのほぼ扁平のかたちをしています。中央の花のようなのはわたしが描いたのではなく、棘を取り去るとこんな模様があるのです。いかにも描いたように見えるのも不思議な感じです。真ん中の黒い丸は、殻の一部が欠けて穴になっているところ。

生きている時は、いちおうウニですから棘がびっしり生えています。棘の長さは5ミリほど。生きているのを目にするのは稀で、多くは砂浜に打ち上げられた状態で目にします。これはわたしが拾ったもので、タコノマクラと言われるとなるほどと思える、柔軟な発想のネーミングですね。なんとなく絵心を惹かれるようで拾ったのですが、少なくとも10年以上経っても、まだ絵になっておりません。このままでは、これを枕にあの世行きになりそうです。

県展へ行ってきた

「カモメのように(イカロス)」 テンペラ

北浦和の近代美術館へ「埼玉県展」を観に行ってきた。忙しくて?行く余裕がないが、最低限1回は見ておかなければならない。日にちを考えると今日しかなかった。腰が痛く出かけたくなかったうえ、暦の上では仏滅で嫌だったが、雨に降られなかっただけでも幸いだった。

鑑賞しながらいろいろ考えた。まず、絵のレベルが下がっているのではないか、とも感じた。壁が低くなって入選しやすくなっていることと、関係があるのかどうか。人口動態に比例して出品者の高齢化とともに発想が平板で古臭くなっているのか等々。99歳の出品者などが頑張っていることは知っているし、それはそれで立派だと思うけれど、心躍るという意味では、高校生の絵だけが面白く見えた。中高年、負けずにもう少し頑張ろうぜ!

晨春会展はじまる

晨春会 ’25 展会場(2025.06.10)
斎藤由加「猫の芽」アルミ鋳金

晨春会(しんしゅんかい)展が始まりました。今年は星野、瀬川両氏が体調不良のため退会し、また、高橋千代子氏が逝去されました。一抹の寂しさを伴った展覧会になります。高橋氏には謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

そのかわり、元気いっぱいの彫刻・斎藤由加氏が新しくメンバーとして参加してくださいました。嬉しい限りです。晨春会展も今年で38年目を迎えます。最初は「5回続ければいい」と始めた展覧会が好評で、(メンバーも皆若かったし)勢いだけで20回まで突っ走ってしまったような気がします。20回を越え、これからどうするかをやっと考える段階になってから、またそろそろ20年。あっという間です。世代交代ももう一段スピードアップする必要があるかも知れません。

陳列終了後のメンバーの話題の中心は「腰痛」などの健康・病気に関すること。皆さんほぼ全員が本人か家族のどなたかにそういった問題を抱える年齢です。もちろんわたしも例外ではありません。そういったもろもろが作品に反映されるのも生きていればこそ。そこがAIで作る作品との違いでしょう。どうぞ皆様、実作品でご覧ください。