色に遊ぶ

             「りんごの風景」  水彩  F4

東日本、特に関東太平洋側では晴天が続き、今日も乾燥注意報が出ている。カラッとした良い天気だが、わたしの気分はずっとウエットなまま。そんな時、こういう絵を描いて気分を乾燥させる。

赤と黄色と緑。いつもながらわたしのワンパターン。こんなにあからさまに、この三色をどれも高彩度で使うようなカラーセンスのない人は珍しい、と自分でも感じる。普通は三色のうち、一色を抜いた二色でバリエーションを作り、抜いた一色をアクセントとして使うとか、もうちょっと洒落た使い方をする。あるいは三色を交互に混ぜて(重ねて)、近い色どうしにまとめていく。ともかく、こんなにストレートでバラバラに(交通信号機のように)原色を使う絵を見ることは少ない(子どもの絵には圧倒的に多い!)。

色の無い、モノトーンの世界にわたしは憧れる。だから雪の風景はことさら心を惹かれる。なのに、絵を描くとつい鮮やかに、より純粋にと色を使いたくなってしまう。カラーセンサーのどこかが壊れているに違いない。他の画家たちの絵を見るたびに、そうだ、こんな色遣いをしなくっちゃ、と強く願うのだが、画廊を出て3歩歩くともう忘れている。

モノトーンの絵はカッコいい、大人の絵だと思うのだが、色をたくさん使うのは頭を空っぽにできて楽しい。屁理屈をこねる割にはもともとの頭がガキっぽいのだろう。それならそれでいいはずなのに、そこに自分を100%投げ込めないジレンマがある。

投稿者:

Takashi

Takashi の個人ブログ。絵のことだけでなく、日々思うこと、感じることを、思いつくままに書いています。このブログは3代目。はじめからだと20年を越えます。 2023年1月1日から、とりあえず奇数日に書くことだけ決めました。今後の方向性その他のことはぽつぽつ考えて行くつもりです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です