冷めたコーヒー

スケッチ

前にも書いたかもしれないが、ライフルでの狙撃の世界記録(忌まわしい記録ではあるが)は3800m。現在進行中のウクライナ戦争で、ウクライナのスナイパーがウクライナ製のライフルを使い、ロシア兵を狙撃したとウクライナ保安庁(SBU)が主張し、すでに世界中に知られている。

軍や軍事関係者、武器製造メーカーなどにとっては実戦での記録だから、オリンピックでの100m走の世界記録などよりはるかに有用な記録であるに違いない。わたしが想像するのは、撃たれたロシア兵がその時なにを考えていたんだろう、ということ。戦争だから、いつどこで撃たれるか分からないという覚悟を家族の中には置いてくることができたにしても、彼自身にとって覚悟などという言葉には何の意味もないほど遠くから、現実の死はやってきたに違いない。

同じくウクライナ戦争での話題で恐縮だが、ウクライナに供与されたF16戦闘機が墜落した。味方の誤射によるものだと公式発表があった。このパイロットは非常に優秀かつ人望の篤い人物だったらしく、ゼレンスキー大統領がこれに激怒し、即日空軍司令官が解任されたという。

数日前、わたしの叔父が故郷で病死した。自分に何が起こったか知る由もないロシア兵と、少なくとも必ずしも生還できないかも知れないと思いつつ出撃したはずのパイロットと、家族に看取られつつ亡くなった叔父との、それぞれの死の意味が、わたしには解らない。死には意味などなく、単に「死」なんだろうな、と今この瞬間は考えている。
 家族の中で、いちばん離れて暮らしているのに、なぜか私だけが祖父母、両親の死にたった一人だけ立ち会った。不思議な死の縁。

時々自信をつける

今日も1枚描けた

皆さんこんにちは。このクソ暑い夏も、台風のニュースを聞く頃になれば、そろそろ終わりだな、と心なしか口角が上がってくる。

年とともに、誰しもいろんなことに自信を失ってくる。体力、記憶力、想像力などなど。「老人力」なんてベストセラー?の本が出たりするけど、まあ、要するに「がっかりするのもほどほどにね」というほどのものだろう。高齢になっても自信満々というのは、バカかロクでもない奴と相場は決まっている。

けれど、時々自信を回復したり、自信をつけたりするのは必要だ。落ち込み過ぎて自殺などしても、誰も喜ばぬ(と、思っておこう)。自信も、不信も、過信も一言で言えば、自分自身の「思いこみ」に近い。隣を歩いている人よりちょっと早かったりすると、「まだ脚は衰えていない」なんて喜んで自信を回復する。その人が、単に他の人より遅いだけでも、勝手に自信が回復してしまう。そんな便利な頭が必要だ。

あらゆる意味で自信が全くない人、というのはこの世に存在しないと思うけれど、自覚された自信は、時に爆発的な力を発揮することがあるのは、スポーツなどでは特によく言われること。目標がどこにあるかで自信の持ち方も変わるのも当然だ。「必ず優勝できる自信がない」などというのは、おそらく他人にはに想像もできないプレッシャーが言わせる言葉だと想像するが、不幸な方向性をもったあり方のような気がする。「このぶんなら、明日も何とかやっていけそうだ」くらいの自信を、時どきはつけようぜ。もっとも、これが自信でなく「希望」だと、ちょっと悲しくなるが。

Twip,twip. We are の夏

緑のざくろのためのエスキース

Twip,twip. We are. どんな意味ですか?実はこれ、英語じゃありません。わたしの部屋の窓の下で啼く、蝉の声です。一階の窓の下、つまり花壇の植え込みの中。だからてっきり虫の声だと思っていた。あー、もう秋だなーなんて。

そうしたら散歩道、今度は頭の上から聞こえてくる。あれっ?同じ声じゃない?見あげれば銀杏の木にとまっている、蝉さんじゃあありませんか。異名オーシンチョコともいう、それはヒグラシ?わたしのようなその日暮らしより、もっと短い人生、ならぬ蝉生を生きる蝉なんです。その啼き声がTwip,twip. We are.とわたしには聞こえてしまうんです。

小中学生の夏休みはどうやら終わったらしいが、わたしの夏休みはもう少し続く。今年の夏は例年に比べると、イイコト、悪いこと、結構大きなアップダウンがあった(まだ終わってないけど)。イイコトのうち、YouTube絡みでひとついうと、チャンネル登録者が1000人を越えたことはすでにお知らせしてしまいました(隠しておけず)が、夏休み中のチャンネルの視聴時間が1000時間を超えたこと。月1000時間は半年前は想像もしないほど遠い目標でした。

長く続けることで得られることもあり、切り替えができずに失うものもある。何が良くて、何が悪いのかは、その時その場では判断できないことだらけ。残された時間はどんどん短くなっていく、なんて考えるとじりじりと心が灼けてくるが、宇宙や自然に目を向ければ、偉くなろうが、金持ちになろうが、人の一生など虫けら同然にも見える。長い地下生活から地上に出て、2週間だけの残された時間を蝉はどう感じているんだろうか。Twip,twip. We are. 明日は明日の風が吹く。