失敗作を眺める

「夕焼け(習作)」  水彩 F6

失敗作です。既にいちど失敗して絵の具を流した上に、もう一度描いてみたものです。想像していたより、紙への絵の具の染みこみが強く、失敗確定後もうまく洗い流せなかったので、「背景」の練習用にしてみました。画面上の白い枠が、ここで言う「背景」です。

ふつう、風景画には「背景」などありませんよね。それに背景をつけるとはどういうことでしょうか。たとえばこの風景をガラス越しに覗いているとします。ガラスの表面には光が反射したり、自分が映ったりして、風景が見にくくなります。そういう状態は人をイライラさせます。そして、いわば「視覚的に妨害」された部分を想像で補って、スッキリしようとするでしょう。そうすることで、無理やり、見る人の頭の中に、作者の描こうとする絵を一緒に描かせようという、仕掛け(のつもり)なんです。

「背景」という言葉がしっくりしないかもしれません。実際、わたし自身にとってもとても坐りの悪い語なんです。とりあえず、その「邪魔者」効果で風景を逆説的に目立たせる、という意味でこの語を使っているのですが、もっと適当ないい語があったらお教えください。
 今のところ、「背景つき」の風景画はまだ何枚かしか試作していないので、どう発展できるかなどはまだ未知数です。しょせん背景ですから、根本的なものではありませんが、ちょっとしたアクセント程度の可能性なら大いにあると思います。静物や人物画になると、その比重はさらに大きくなって、研究の価値が出てきますね、きっと。

失敗のもう一つは、本題の夕焼けがうまく描けないこと。グラデーションがうまくできないんです。油絵などに比べると水彩画のグラデーションは数段難しいものです。グラデーションは水彩画の最も基本的な技術ですが、それが結局一番難しい。鉛筆は誰でも使えますが、魅力ある線を一本引けるようになるまでが大変なのと似ていますね。紙と自分との相性もイマイチ合わせられませんでしたねー。4,5枚描いてみましたが、それらしい手ごたえはまだ。もう数枚はこのモチーフで練習してみます。

アリッターシター

「夕焼け」のための習作

昨日ガソリンスタンドで車に給油、プリペイドカードで支払った。店員がこちらに領収書を見せながら「あと○○円残っています」と言っている(らしい)が、全然聞き取れない。

想像するに、○○ℓ入りました。リッター〇円引きなので、○○円になります。カードにはあと○○円残っています、と言っている。金額だけは辛うじて聞き取れたような気がする(領収書を見ているから)。

店員は若い、童顔の(20代?)日本人(の男の子?)。最後にきっちり営業用のスマイルで「アリッターシタ―」。「ありがとうございました」と言ってる気がするらしい。プリペイドカードは「プリカ」、トレーディングカードは「トレカ」、クレジットカードは「クレカ」やスマートフォンの「スマホ」は日本人にはもう日常語化しているが、日本観光中の多くの外国人にはまだ解からないと思う。「めっちゃ」「ヤバい」は、観光で来る外国人には、むしろこちらが普通の日本語だと思われているようだ。

現代日本語は、日本人であるわたしにも「ムズイ(難しい)」。これを漢字で書くと、若い人は「ナンシー?」と訊く。教育漢字というものはすでに廃止になっているのだろうか。薔薇、林檎、躑躅など「日本人なのになんで漢字(中国語の意味?)で書くの?」ひらがな、もしくはカタカナで書けってことか。ところで皆さん、さっきの3つの漢字、読めるでしょうか?確かに、もう、バラ、リンゴ、ツツジとしか書かれていないことも多いもんね。外国人もひらがな、カタカナなら読めるらしいから。

晨春会’24展 はじまる

開場直前の様子

晨春会展が昨日から始まりました。23日(日)まで。良い会場になりました。期間が短いので、どうぞお見逃しなく。昨日はあいにくの雨でしたが、開場前から何人もの方がついでに見に来て(失礼)下さいました。ありがとうございます。

午後からは雨にも負けず、大勢の人が見に来てくれました。来場者の方々とゆっくりお話しができたので良かったです。