夕べの雲

「夕べの雲」(習作)  水彩、F4

とりあえず、この習作はこれで終了。作業手順の組み立ては問題なかったが、実際の作業では小さなトラブルが起こるもの。前回の写真から見ると意外に時間がかかった。もう一回描けば、たぶんもっと詩的なイメージにできると思う。夕方、電車から過ぎ去る風景も描いてみたくなった。

描きかけのスケッチ、描かなくてはいけない作品、早くアップしなければならないYouTube、幾分かは切らねばならない桃の木、などなど。普段はヒマなのに、重なるときは重なるもの。絵を描くことは楽しい忙しさ。生きていればこそ、というべきか。

明日は早い。おやすみなさい。

ひとり

現場写真
制作中

上の写真をもとに、かつての生涯学習センターからの眺めを描いている。試作をスタートしてからもう1ヶ月は経つが、その間ほとんど制作していなかった。

はじめはマスキング液で抜く予定だったが、ブラインドのシャープな線の効果を考えて、マスキングテープに切り替えた。その角度につられて垂直線が倒れかかっているところなど、2,3か所を修正する必要が見える。

試作はF4サイズなのでこんなテープの切り取り方になっているが、30号くらいになればこの方法ではたぶんうまくいかない。水彩画に限らず、ひとつのビジョンについての達成方法は一つとは限らないし、その選択もその人の経験や技術によって異なってくる。そのプロセスをあれこれ考えるのも、絵の愉しみのうちに入る。料理のことはあまり知らないが、ずっと昔から、よく似たもののような気がしている。

年間に〇十枚描くとか、○○展の入選、入賞を目指すとか、そんな時期を何年も経て、今思うことは、「静かに一人で楽しむ絵が最高」ということ。誰かが褒めてくれなくてもいい(そんなのむしろ余計なこと)、静かに深い時間を過ごせることより価値のあるものはあるだろうか、などと考えている。

錦秋・華厳の滝

「錦秋・華厳の滝」水彩 F4、コットン紙

昨日載せるはずだったブログ用の水彩。夜の11時少し前からブログを書き始めましたが、どうにも眠く、キーボードは間違って打つし、考えも集中できないので、終わらないまま寝てしまいました。

スケッチは、だいぶ昔、まだ子どもが小学生のころ、日光に連れて行った時の写真をもとに描いたものです。滝は右上から中央下に向かって落ちています。川が滝口のあたりを上からくねくねと曲がってきて、黒い岩のところから落ちていきます。一見すると左から右へ落ちているかのようにも見えますが、そうではありません。

紅葉の風景は至る所で見られますが、描くとなると意外に難しいものだと思いました。こんなふうに全山紅葉という場合、やたらめったら赤や黄色を塗りたくるだけになりがちです。手前の紅葉とずっと奥の木々の紅葉とが同じ色なので距離感も薄いし、それぞれの木や葉は小さいので、一本ずつ、一枚ずつ描くわけにもいかないからです。

ここでは木や葉を描き分けることはサッサと諦め、微妙な明るさの差(手前は紙の白さを残し、奥は緑と赤の重なりを多くする)と、視覚的な密度感(遠くは小さく混み入っていて、手前は広く大きい)とで、空間を表現するようにしてみましたが、どうでしょうか。
 秋だけでなく、最近はどこへ出かけるのも億劫になってしまいした。寒いのもスケッチも、好きは好きなのですが、道具やらなにやら考えると面倒になってしまいます。でも、できるだけ、美味しい空気を吸えるところに行きたいと思いますね。