
昨日から「青いカモメの会・絵画展」が始まった(20日16:00まで)。その搬入のため作品を車に積むとき、初めて気がついた。「あれっ、仕上がってない」。
思い出してみると(出品作は「頭の中ではすでに仕上がっていただけ」で)、目の前の別の作品が、今にも奈落に落ちていきそうで、それをなんとか救い出そうと、数日「 ICU」 状態で一生懸命になっていたのだった。
「奈落の底に落ちそう」だった絵がこれ。いろいろ手を尽くしたが、すでに落ちてしまっているかもしれない。なんだか、地獄のような風景にも見えるし。「Blue」とつけ足したのは、気分がとてもブルーだったから。手当ての甲斐なく、絶命した患者を見下ろしているDr.になった気分だ。
がっかりしながら眺めていると、なんだか情けない「自画像」にも見えてきた。1950年代の旧式ロボットの図体に、イカれたゼンマイ仕掛けの「脳」を載せた自画像だ。「何を描こうと、すべて自画像」と常々心しているが、その意味では、これはまさしく私の絵以外ではありえない、と思えてくる。あまり楽しくない、生き方もその表現もチグハグ。でも、とりあえずもう一枚描いてみたほうがいいんじゃない?と絵自体がそう言っているように見える。「いかに裸になれるかが本物かどうかの分かれ目だ」と、誰かの言葉だったか、私自身の想いだったかもう思い出せないが、こんな絵を描く以上は、私も(もうしばらくは)ゲージツ家なのかも…だ。