明日は来ない

「かもめ」(エスキース)

 先月末、3ヶ月ごとの腰の定期受診をした。痛みもなく、かなり順調に来ていた腰の調子がだんだん下降気味になって来ていたので、そのことを医師に告げると、「筋トレの質を上げる」よう指示された。確かにちょっとサボり気味だった。その日から「質」を意識しつつ、回数も増やすことにした。

 具体的には、一回ごとに筋肉に手を当て、ちゃんと力が入っているかを確認、持続時間もきちんとカウントする、程度のことだが時間は倍以上かかることになった。忙しいふりをして適当にごまかしていたところをキチンとする、それを(今までより)心がけた。今夜、たまたまラジオで近畿大学准教授・谷本道哉氏の「筋肉は裏切らない」を聞いた。「そうなんだー」。

 明日から自分も筋肉体操やろう。「そう思った人に明日は来ません」と彼は番組の最後に言った。–そうなんだ。すぐやるか、明日やるかが「心の老化の差」と直感した。子どもの頃、思いついたこと、やりたいことを明日まで待てなかったではないか。いつの間にか「無理しない」つもりが体だけでなく「心」まで怠けさせてしまっている。動物や植物など自然の生き物ががなぜ私を惹きつけるのか、その理由にも思い至った。