
昼間はあまり気づかないが、夜になるとナースコールがよく聞こえてくる。私も必要に迫られ、何度かコールした。夜は看護師の人数も少ないので対応にも時間がかかり、それだけコール音が長引くせいでもあるだろう。
処置をしながら「ナースコールが凄い!」と思わず呟く看護師さん。敏感になっているから、処置に時間がかかる時など、時には針のむしろに座らされている気分になることもあると想像する。
夜勤だから当然徹夜だ(ろう)。自分の仕事や趣味に熱中しての徹夜と違い、いつ、どんな状況になるか分からない緊張感を持続するのは大変だと思うが、翌朝もケラケラ笑っていたりする。私などにはとても無理だが、仲間がいるから頑張れるという側面もあるに違いない。一人での夜勤ならきっとノイローゼになる。
画家や小説家にもそれぞれ仲間はいるが、同時に同じ場所で仕事をするという意味での仲間はいない。常に一人。もしナースコールしたくなっても、担当はいつも自分自身しかいない毎日。
ナースコールが、当日のチームに緊張を強いる反面、全員が分担し合っているという意識を高める、連帯コールでもあるように思う。