発表するということ

斎藤 典久 個展より

川越・ギャラリー・ユニコンで斎藤典久さんの個展を見たとても良い個展だった作品が優れているかどうかは私には判らないが少なくとも作者と作品が一致するというかその人らしさが作品にしっかり流れていてそういうことが私にとっての価値観であるという意味で良い個展だと思った

それに引き換え私の東京・銀座で発表した作品は単なる思いつきの底の浅いいい加減な薄っぺらなものに見える。And、確かに思いつきで底が浅くいい加減で薄っぺらなのが私自身なのだそういう意味では私も言行一致だが悪い方の言行一致ではどうしようもない

私は最近発表することの意味を失いかけているおそらくこれからもたとえ手が動かなくなっても(それがパソコンになろうと)それが他人にどう思われようと私は絵は描き続ける筈だ絵を描く以上の楽しみなどこの世にあろうとは思われないから。But、何のために発表するのかという問いに対する答えはそれほど明確でなくなってきた他人に評価されたいなどとはもう考えてもいないそれより誰に見せるつもりでもなく無心に描いていた原点に戻りたい気持が強くなってきた