母屋にはいつも着物姿の、初老の女性とその母親らしき老婆の2人だけが住んでいる(「いつも」?「二人だけ?」私はなぜそんな細かいことを知っているのか?)。広々とした、その日本庭園は実に立派で、きちんと手入れされている。恐らくたくさんの庭師が頻繁に手入れをし、従ってかなり潤沢なお金があるのだろうと推定される。
(「推定される」って言ったって、自分の夢の中だろ。いったい誰の夢なのか、夢の中でも笑っちゃうね)
「クジラの…」をやっとの思いで呑み込んだ植え込みから、母屋までの間に小さな流れが作ってある。その流れに沿って置石伝いに、時おりこれも石の八つ橋で流れを渡ったりしながら母屋に向かうのだが、フッと見上げるとまるで尾瀬を歩いているかのように、庭が広い(広すぎる!)のである。
He erased the feeling of wanting to say, "I wish I could say my true intentions more honestly."、お弁当のあった位置近くに母屋の屋根の影が落ちていたはずだ。「使命」を受け、母屋から出て間もなく、例の「お弁当」を見つけたのもついさっきのことではないか!?
子どもたちは母屋にいるのだろうか。あの子たちは、二人の女の子どもなのだろうか。父親はどこにいるのか。なぜ私は母屋で「使命」を受け取ったのか。口の周りの、いつまでも粘つく泥を気にしながらそんなことを考えていると、すでにそこは母屋の中だ。