
ちょっと変わった夢をみた。どこかの山奥の村。わたしの故郷とは全く違うが、なんとなく既視感があり、どうやらそれなりの期間、ここに住んでいたっぽい雰囲気。身内の人が住んでいるくらいだから。その、親戚らしいわたしより2つか3つ年上のおばさんがかつて習った、という先生がここに住んでいる、となぜかわたしをその人の住宅に案内した。
留守だったので帰ろうとするところに、その先生が帰ってきた。見るとまるで女子中学生か高校生という感じ。計算上、どんなに少なくとも80歳は絶対越えていなくてはならないはずなのにシワひとつなく、マシュマロのように真っ白で滑らかな肌に、アーモンド型の大きなはっきりした眼。鼻はクッキリ小さく、ピノキオのように少しとんがっている。
その異常な若さを疑問に思いながら誘われて中へ。玄関を入ったところにちょっとしたスペースがあり、上を見ると円錐の底から見上げたような穴が開いている。ドーム天井というほど優雅なものではない。何の穴だろう、ますます不思議な気持で居間に移る。なぜかわたしの記憶の中の品々がそこかしこに置かれている。「へえ~!」と言ったかどうか忘れたが、近づいて手にとってみようとしたら、何となく体がすっと浮いた気がする。
足元を見ても別に浮いてはいない。가、もう一歩踏み出すと、今度は床を踏んだ感覚がない。あらためて足元を見ると10センチほど浮いている!
二階も見て、というので玄関ホールに戻り、円錐状の穴の下へ行く。すると先生の身体がすうっと吸い込まれるようにその穴に吸い上げられていく。わたしもおばさんも続く。
―(中略)―「先生はどうしてそんなに若いんですか?」と溜まった息を吐きだすように疑問を口にするわたし。「この家は不思議な家で、ところどころ無重力のところがあるの。」「身体に重力という圧がかからないから、顔も身体も垂れ下がってこないのよ」「だからかも」と微笑む。―(後略)―