傷の様子 (手前はモニター)
点滴がうまく入らない 。これまでは太い針でもちゃんと出来ていたのに 、細い採血針にしたら(容易になった筈なのに)出来ないという 。
2人が2回ずつ失敗し 、3人目のベテランが2度目で入れた 。先の2人は単純な技術不足 。ベテランは一発で痛みもなく入れた 。そこまでは良かった 。安心して休もうと毛布かけなど動いたので針がズレ 、皮下注射になってしまった 。次第に痛みが出 、皮膚も膨れてくる 。
戻ってきたベテランは 、動いたアンタが悪いと言わんばかりの不服顔 。こちらも何度やり直せば済むのか 、という気分 。今度は右腕にやると言う 。手術後で 、左腕はあまり動かすなという指示なのに 、右腕では何かあっても困るといったら 、左腕にはもう刺すところがないという 。「たった30分 、我慢出来ないの?」その言い方が医療者目線そのものだと思う 。
1回目うまくいった時 、「30分動かさないで下さい」と言えば 、それでうまくいった筈 。医療者なら動かさないのが常識でも 、患者にはそうとは限らない 。まして 、直前までの点滴では 、手を動かすのは自由だった 。点滴の仕方が変わりますと事前に聞いていたから 、そこまでは共有されていた筈だ 。
患者目線に立てば「(これまでのと違って)30分ほど動かさないで下さい」の一言が重要だ 。「患者目線」「消費者目線」と簡単に言うが 、意識を変えるのは容易ではない 。このあと 、点滴液が無くなり(普通は点滴液が無くなる前に来る) 、ナースコールをしても暫く誰も来なかった 。もしふてくされたのだとすれば 、もう医療以前の精神レベルだという他はない 。