
顔をペンで描く練習を少し続けてみる。特に子どもの顔は柔らかいので、普段なら鉛筆で描こうとする。ペンのような硬い筆触は合わないと、避けがちだった。
自分勝手に思いこんだ “一種のタブー” だが、意外に自分を囲い込んでしまっていたかも知れない。サイズに関しても然りで、鉛筆やペンは小さな画面にしか適さないと思いこんでしまうと、ちょっと大きな画面にすぐ手が出なくなる。巨大画面に鉛筆だけで描く作家の作品を知っていてさえ、手をこまねいてしまう。小さなことが自分を囲い込んできたのなら、小さなことで、その囲いを破ることもできるかもしれない。