
2月に入り、たて続けにサザエさんにお世話になっている。写真のとおり、文字通りの「サザエ」さん。きっかけは妻が「活サザエなのに、売れ残りで安くなっているから買ってみた。刺身作れる?」とテーブルの上に置いたこと。正直「え~っ、面倒なモノ買いやがって」とは思ったが口には出さず、とりあえず「ふ~ン」と生返事。
隙を見てこっそりYouTubeで「サザエの殻を剥く」とかを検索。「へー、こうやって取り出すのか。」動画では、割烹のご主人らしい人がササっとまずサザエの首根っこを切り取る。それから小指をいれてぐにゅぐにゅっとすると、内蔵すべてがツルっときれいに取り出せる。コツがありそうな気がしたが、見よう見まねでとりあえずやってみることにした。
首(のように見える筋肉質の部分)を切り落とすまでは割烹並み。ところが、どうやっても肩から下が出ない。これ以上はわたしの指の方がちぎれる、ということでやむなくハンマーで粉砕。まな板は凸凹になるわ、身の中に殻のちいさな破片が紛れ込んで、洗うにもそれで指を切りそうになるわで、要するに散々な目にあった。
ところが、数日後また買ってきた!「1個100円位に下がってるし、まだ元気そうだから。」え~っ!今度こそ自分の指を切り落としそう、とは思ったが、口には出さず、とりあえず「ふ~ン」と生返事。奴はコリコリした刺身の味が気にいったのだった。Але、今度はハンマーだけはやめた。小指に少女っぽい切り傷なんぞ作ったりしながら、なんとか取り出せた。
ところが、数日後また買ってきた!「半額に・・・。」口には出さず、「ふ~ン」と生返事はしたが、わたしもだんだんやり方がわかってきたのだった。小指の切り傷は恋の思い出なんかじゃないのだぜ ― 少しアルコールの入ったドングリ目でよく見ると、敵はなんとなくコロナに似ているようにも見える。「コロナに打ち勝った証」にはワサビが合う。つい「また買ってきて」と思ったが、口には出さなかった。