
絵画とは「ビジョン」だけで完結するものかも知れない。ビジョンとは、「見えること、もの」をいう。それを「画面に定着」することは必ずしも必要でない。そういう意味ならすでに映画やビデオがある、というより、もっとラジカルに、仮に言葉で聞き手の脳に像を描かせることさえできれば、それを絵画と呼んでいいのではないか、という意味で。
あるいはビジョンのリアリティと、言っていいかとも。むしろ絵画にとってはこの方がずっと重要で、「見る人にとって」リアリティの無いものは絵画ではない、と言ったらどうだろうか。当然リアリティとは何か、ということになるが、それは「見る人」次第ということになる。作者はどこへ行ってしまうのか?それでは不特定多数に対して発表する絵など描けないではないか。Obehaglig、作者は作者で、見る人のことなど考えずに、自分のリアリティだけ追求すればいいのだ。作者と見る人の関係が断絶していることにおいて、初めて本当の関係が成り立つのかも知れない…などとぼつぼつ。