ウニの歯

ウニの歯をしげしげと見たことのある人は案外少ないかも知れない漁村に生まれた私は子どもの頃からウニの歯はけっこう鋭くデカイなあと思ってはいたがは食べることに夢中でよく観察はしていなかった

ウニの歯は5枚(種類によって異なるかもしれない)先端が中心の1点に集まるように正五角形に配置されている一つ一つは局面のある石灰質の鞘と方解石のナノ粒子でできた超硬質の鋭い刀の部分との2つでできているこの硬質の歯でコンブなどの海藻や魚などの死骸を切り取って食べるだけでなく岩を削り自分自身の隠れ家をも作る

身体の割には大きな歯で5本の歯だけでも身体全体の体積の10%以上自動的に研ぐ構造になっていて新しい歯がスライド式にでてくるようになっている生半可な現代の工具では追いつかない優れもので切削工具の研究対象になっているという

棘は人やそれを好物とする魚以外のものにとっては防禦の武器だがもしこの口(歯)を攻撃に使えるように進化していたら私たちの方が食べられる側になっていたに違いない