

国道338号線は東京方面からの順はおいらせ町、三沢市、六ヶ所村、東通村、むつ市、佐井村、大間町。フェリーで津軽海峡を越えてゴールの函館市までの全215km。
下北半島の東通村(ひがしどおりむら)は県内で二番目に広い村だが、ここは村内に10ヵ所以上ある集落がそれぞれ数km~数十km離れ、常にほぼ孤立状態で生活してきた。日常生活に自動車は欠かせないから集落間を結ぶ、広く立派な道路が縦横に通っている。初めてドライブする人は道に迷うが、道を訊こうにも人影ひとつない。気候は北海道・帯広あたりに近い。
今度風景を描けってこったが、どゆうふうにやったらええか、よう分からん。見た通りでなくて良いというても、見ないもんは描けんし。この写真、面白いとゆうとったもん、ひとつやって見せてくれんかの。
本当はできんのじゃろう?…という(不穏な)いきさつは実際にはなかったのだが、まあ、ひとつやってみるかの、ということで試作。「冬の庭」と言えば、まずありきたりの寂しいイメージ。それが写真には全然無い。庭が賑やかだ。他人の駐車スペースやその向こうの道まで、ずうずうしくも「我が家の庭です」と言わんばかりの感じも面白い。色も赤、青、黄とカラフルで楽しい。
テーマはタイトル通り「にぎやかな冬」。モチーフ(登場人物)も遊びごころで、なかば「いい加減」に増やし、「ふまじめ」な絵にする。「それが絵と云うものだ」などと、勝手に大声で叫んでみるのも良い(夜中に叫ぶのは止めた方が無難)。ナンセンスもセンスのうち、かも。
応用編。(写真)秋の野球グラウンド。ゲートの向こうで一人が作業中。柔らかな秋の陽が他に誰もいない球場にふりそそいでいる。(テーマ)=「ゆるやかな静寂」。秋の野球グラウンド。野球の練習中。第一球が投げられる(これが題名)。グラウンド上の選手たちの躍動と、それとは無関係に進む夏から秋への季節・時の流れ。
Sân bóng chày. Mùa thu nhẹ nhàng, ánh sáng mặt trời downpouring đó và cầu thủ. “Im lặng leniently” là chủ đề của tác phẩm này.
モチーフ:①銀杏の木とその葉を透かして幹に落ちる陽、コンクリートに落ちる葉の影 ②金網とゲート ③選手たち ④観客は居ない ①~④は優先順位。
ポイント1:野球は作者の好み。サッカーでも構わないが、「若いひと」「スポーツ」などが解りやすい。何人くらい必要か、顔まで描くかどうかなどはサイズによる。F6という小品なので、ここでは「野球」と感じてもらえる程度でいいだろう(優先順位③)。観客は描かない方が楽だし、テーマ的にも合っている。選手も最小限にし、グラウンドを広く見せることで、秋という季節に移る一種の寂しさも表現できたら一石二鳥。
ポイント2:銀杏の幹と背後のコンクリート壁に落ちる葉の影は最重要ポイント(優先順位①)。ここにエネルギーの大半を注ぐ。グラウンド上の「小さな」「動」に対する「大きな」「静」の、無関係で両極的な対比の同時進行を、ドラマの監督になった気分で演出する。
ポイント3:金網とゲート。重要な脇役(優先順位②)。どの程度詳しく描くかはケースバイケースだが、最低限のリアリティが無いと作品自体に説得力が無くなる。少し頑張るところだ。