崖の習作

習作

崖(がけ)のイメージでコップの上半分が溶けて崖になっているよう崖のイメージはもう40年もの間時々だが繰り返し出て来る(自分でも本当はよく解らないが)たぶん岬断崖のイメージだと思う

子どもの頃家の前は砂浜だった(今も)でも水平線の右左とも岬が突き出ていていずれも断崖絶壁特に30km先にうっすらと見える左側の岬は高さ300mを超えていて近くに寄ることさえ危険な場所だ(私の大好きな所だが)

あるいは滑りっこして遊んだ崖のイメージかも知れないせいぜい十数mの泥の崖そこに風のために低くねじくれた這松が生えその上を手頃な板に乗って滑り落ちていく毎日のように近所の子どもたちと擦り傷を見せ合っては笑いこけていた崖を見るといつも親しい気持になるがそのイメージも重なっているのかも知れない