
今年度一杯で絵画と陶芸の講座が廃止になると、受講者全員に大学から通知が届いたようだ。ほとんどの人は寝耳に水で、ショックを受けた人も少なくないと思われる。
実は講師が廃止の通告を受けたのは6月の初め(第1週から2週にかけて)。意見を求められたのではなく、決定事項を告げられ、了解を求められただけだった。当然のことながら詳しい理由説明と、しかるべき手続きがなされるべきではないかと反論したが、結局決定は上からの指示であり自分は詳しいことは知らない、知っているとしてもそれをこれ以上説明する必要はない、ということだった。納得はできないが聞くだけは聞いたことにして、とりあえず考えもまとまらないので、発表はしばらく待って欲しいと伝えてその場は終わった(発表の件は翌週撤回した)。
いつ、どういう形で受講者に伝えたらいいか、大学内の別施設を使って講座を独立した形でできないか等、絵画・陶芸の講師間で何度か話し合いが持たれた。Nel frattempo、なんとなく廃止の件は伏せることになってしまったことをここでお詫びします。講座期間中に責任者から直接話があるものと思いこんでいたこと自体も今では甘い考えだったと痛感している。最後の2クラスだけ、自分の口から告げることができた。
絵画には基本的に部屋さえあればいい。プロのアトリエの多くは決して小奇麗で上品な場所ではない。多くは戦いの場所であり、作業の場である。夏は40度、冬は手も凍えそうな、冷暖房の無いアトリエもたくさん見てきた。それでもスペースさえあれば作品はできるのだが、受講者の皆さんにそれを言っても始まらない。それに、それでは苦痛ばかりで楽しくない。絵画講座の廃止が言い渡された以上、個人の絵画教室として再出発するつもりだ。大学のようなゆったりした環境は他では絶対臨めないかわり、もっと弾力的に外に出たり、見学会をしたり、各種のイベントなどこれまで大学ではできなかった楽しみ方をしてみたいと考えている。その意味では厳しさの中にも、新たな可能性もあると感じている。 2011/7/1