シェルターの花(その2)

シェルターの花 f6 Mixed-medium

前回のバリエーション基本的にシンメトリー(左右対称)の構成だがどうなんだろう?しばらく眺めることにする砂漠の砂の中に夜露!がしみ込んで砂がセメント状に固まりきれいなバラの花の形を作り上げる現象がよく知られている(私も何個か持っている)そんな風に砂をスコップで掻き上げたら中から勢いよく花が飛び出てくるそんなイメージ砂それ自体がシェルターでありカプセルは自分を守る二重の自衛機構?

国展を見よう-あとはぼんやり過ごす

5月1日国立新美術館で国展を見た国展は国画会という大きな団体が主催する美術展知人もたくさんいるが珍しく2人にしか会わなかったメンバーでさえあまり出かける気分にならないのかなと思った内容はさすがにあまたある団体展の中では随一と思う表現意識も技術レベルも幅の広さも深さも現在の日本の頂点にあると思う

彼らの絵を見たら嫌なことを忘れていた沈んだ気持ちでいても火を点けられる負けられないとかいうのではなくこんな風に頑張っている人たちと仲間でいるためには自分ももっと頑張らなくてはそして彼らもまた頑張れといってくれているように感じる彼らの絵の力だ

連休は遠くにも近くにも遊びには出かけたくない渋滞も嫌だし駐車場を探すのも嫌だから子どもが小さい頃は何とか楽しい思い出を作ってやろうと無理しても出かけるまあ平凡な思考の父親だったが子どもが大きくなった最近では平凡さに無気力が加わりちっとも出かけたいと思わなくなってしまった

震災以来私の内側も外側も変わった気持の上でも嫌なことばかり続くがそれでも無気力はまずい無理しても出かければ必ず何か面白いものが目に付くそれが大事だと思うけれど気持がついていけない逆らわずこっそりと独りで絵を描いたりして過ごす絵もまだまだ他人の目を意識したレベルに留まっているこんなんじゃ駄目だ自作のつまらなさをじっくり味わうことにした

シェルターの花

透明カプセルの中の花
シェルターの花 f6 mixed-medium

2010年暮れに「シェルターの男」という題の作品を56枚続けて描いた初めは防波堤型のコンクリートのような壁の内側に立って?いる男だったそのうちシェルターの形が少しカプセル状に変わってきたそこへ今度の大津波と原発事故!何ですかこの恐ろしい一致は!

カプセルのヒントは花粉症の人のためのアイデア宇宙服の顔部分のイメージなのに公開の時期によってこの絵は放射能を暗示していると多くの人が思うに違いない以前山から元気よく真っ赤になって下り降りる雲のシリーズを描いたそしたら雲仙普賢岳が爆発し絵とそっくりの火砕流が毎日テレビで報道され私はそれを見て描いていると殆どの人がそう思ってしまったそれより何年も前から描いていたのだがテレビの力に吹き飛ばされてしまった表現の力不足だった

今回もそうなるかもしれないがこれはあくまで私のイメージ実際の花のスケッチや高山の厳しい気候に対応する植物の驚くべき機構などいろいろなものを組み合わせて実際に在っても不思議ではない存在感として見せたいという思いは人間だか鬼だかわからないような「男」の存在感と同じ今回はもっともっとイメージを練り上げテレビに負けない表現力をつけたいと思っている