歌を忘れたカナリア

             「女子大生」2025.02.17 水彩 F10

という古い童謡があります覚えている人もきっといるでしょう―歌を忘れたカナリアは後ろの山に捨てられるんでしょうかそれとも柳の鞭で打たれるんでしょうか―いえいえそれはなりませぬ

象牙の舟に銀の櫂(かいオールのことです今の人は解かるかしら?)を与え月夜の海に浮かべればカナリアは忘れた歌を思い出すのだそうです(作詞西條八十)今は残念ながらWWWFの規制により象牙の売買は禁止されていますそれに銀の櫂ではカナリアには重すぎて漕げませんなどと理屈を言って作詞のロマンを壊してごめんなさいねそのうえさらに記憶喪失や脳医学の話をするのは―もうもうなりませぬ

象牙の舟や銀の櫂という高価な準備をしてくれなくっても鳥かごの戸を開けて自由にしてくれさえすればきっとカナリアは歌を思い出すだろうにと子どもの時分にもそう思いました
 忘れられないのは父が可愛がっていたカナリアのことわたしが可愛がっていた猫が籠から逃げられないカナリアに爪を立ててしまった朝父はわたしも猫をも叱りはしませんでしたが以後二度と生き物を飼うこともありませんでした小学生だったわたしは父がカナリアの始末をするのを無言で見ていたはずですがよく覚えていません

(売れる)絵を描かない画家というぶざまな自分を顧みるときふとこのシーンを思い出すことがあります歌を忘れたカナリアと絵を描かない画家―一緒に後ろの山に捨てましょかいえいえそれはなりませぬせめて埋めてあげましょう父のしたようにいえいえそれさえ叶わぬ世でしょうか

发布者:

高志的个人博客。不只是关于绘画、我每天都在想什么、你的感受、我想到什么就写什么。这个博客已经是第三代了。从开始到现在,已经有20多年了。。 2023从1月1日起、现在,我决定只在奇数天写作。。我会一点一点地思考我未来的方向和其他事情。。

发表评论

您的电子邮件地址将不会被发表. 必填字段已标记 *