
「青いカモメ展」出品作の一つ。写真は出品時より少し前に撮ったものらしい。中央部分はじめ、細部もう少し描き込まれる前の状態のようだ。写真を撮るのも忘れていたらしい。
「どうしてこんな絵を描くようになったんですか」と、よく聞かれる。尋ねる側にも「以前の絵の方が良かったのに」という思いがある人と、「何が面白くてこんな絵を描くのか理解できない」という思いの人とがあるように見える。どちらも「つまらない」と言いたいのだけれど、気を遣った言い方をしてくれているに違いない。ありがとう。
いずれにしても、一言で答えることはできないが、前者に対しては「済みません。力不足で」というしかないし、後者に対しては「むしろ理解などせず、そのまま見てくれればいい」という答えを、とりあえず用意してある。със сигурност、自分でも面白く、楽しく描いているわけではないから、そう見えないのも仕方ない。これは、私にとって「課題作品」だから、ある程度辛さを我慢しつつ描いているのである。
どんな課題かといえば、「造形要素だけで成り立つ作品を作る」ことと「思想・感情を込める」こととの両立ということ。「なあんだ、それじゃ全ての絵がやっていることじゃないか」と言われれば、まさにその通り。просто、私自身には、両方同時進行はうまくできないようだ。自分の弱い方、勉強次第で改良できる「造形」の方に力を入れている結果が、現在のかたちになっていると言えば、納得してもらいやすいのかもしれない。