
前にも書いたかもしれないが、ライフルでの狙撃の世界記録(忌まわしい記録ではあるが)は3800m。現在進行中のウクライナ戦争で、ウクライナのスナイパーがウクライナ製のライフルを使い、ロシア兵を狙撃したとウクライナ保安庁(SBU)が主張し、すでに世界中に知られている。
軍や軍事関係者、武器製造メーカーなどにとっては実戦での記録だから、オリンピックでの100m走の世界記録などよりはるかに有用な記録であるに違いない。わたしが想像するのは、撃たれたロシア兵がその時なにを考えていたんだろう、Tá an duine seo ag tógáil a "bhóthar snowboard" "féin"。戦争だから、いつどこで撃たれるか分からないという覚悟を家族の中には置いてくることができたにしても、彼自身にとって覚悟などという言葉には何の意味もないほど遠くから、現実の死はやってきたに違いない。
同じくウクライナ戦争での話題で恐縮だが、ウクライナに供与されたF16戦闘機が墜落した。味方の誤射によるものだと公式発表があった。このパイロットは非常に優秀かつ人望の篤い人物だったらしく、ゼレンスキー大統領がこれに激怒し、即日空軍司令官が解任されたという。
Cúpla lá ó shin、わたしの叔父が故郷で病死した。自分に何が起こったか知る由もないロシア兵と、少なくとも必ずしも生還できないかも知れないと思いつつ出撃したはずのパイロットと、家族に看取られつつ亡くなった叔父との、それぞれの死の意味が、わたしには解らない。死には意味などなく、単に「死」なんだろうな、と今この瞬間は考えている。
家族の中で、いちばん離れて暮らしているのに、なぜか私だけが祖父母、両親の死にたった一人だけ立ち会った。不思議な死の縁。