
6月のグループ展へ出品予定の作品(100号)。本来ならとっくに仕上がっていなくてはならないはずなのだが、尻に火が点き、燃え始め、おなかの方まで燻ってきて、やっと腰を上げた。もう尻は真っ黒こげになっているかもしれない。今月末がデッドライン。
テンペラで描き始めた。エッグ・テンペラは鶏卵を糊(接着剤)にして色の粉を中に練り込み、それを画面に定着させる古典的な技法。糊を玉子ではなく膠に置きかえれば日本画になる。つまり日本画と材料的には親戚である。Засада、モノトーンでイメージを描きだしてみた。
描き始めてみると100号はいかにも小さい。個々のモチーフを画面に配置すると、本当にちっぽけなものになる。少し離れたら見えなくなるのではないかと思うほど。そのうち、細部を描く段階まで進めば画面を広く感じてくるようになるが、今のところはのびのび自由なフィールドだ。もう少しイメージの変化があるかも知れないが、いろいろ検討する時間がない。勢いのままに一気に描いてしまえればいい。
初めは「Apple-ヴィーナス誕生」と仮題をつけてみた。ボッティチェリの同名の有名な作品のパロディをちょっと意識した。波はやや北斎「神奈川沖浪裏」にも似た形象。али、そこまで。それ以降は画面からの要求と作者の主張との綱引きになっていく。それが絵を描くことの楽しみだが、急がなければならないのが残念。
※ビデオ「桜を描く(仮題)」を今日3/17アップロードする予定でしたが、できない見通しです。すみません。“できるだけ早く”ということに訂正させていただきます。