日曜日、行動展と新制作展を観に行った。行動展の矢元さんの作品は毎年見るのが楽しみ。大好きな作家だが、会ったことはない。
「船を造る」という題なのに、近づいて見るとそれに相応しい工人風の人は一人もいない。何故か下半身丸出しでお尻を突き出していたり、お尻丸出しで走っていたり。要するにクレヨンしんちゃんが船の周りに100人以上集まっているだけとイメージすれば分かりやすい。なのに鋭いリアリティが感じられるのは、的確な批評眼と卓抜なテクニックによると思う。
もう一つは新制作展の彫刻会場。アカデミックな基礎を重視しながら、アカデミックな形態を脱しようとしてきた(と思う)、この会の彫刻部のありようをよく示していると思う。この力の「外し方?」が絶妙ではないだろうか。بدني、力学的な計算の上に、意表をつく(かつ、ワザとらしくなく、かつ肩の凝らない)カタチで重力との関係を解釈して見せる、その鮮やか(過ぎるかもしれない)さ。
どちらの展覧会も数百点が出品されているが、このレベルになるとさすがに幾つもない。لكن、必ずあるというのもすごいこと。