早い人遅い人

浮かぶ男(部分)
浮かぶ男(部分)

一般的に人より「早い」ことは能力の高さを示す有力な一指標であると考えられている覚えるのが早い仕事が早いなどは給料とか成績とかに直結していることもあるだろう最近では帰宅が早いのも美点の一つになっていると聞く

私はといえば覚えるのが「かなり遅く」なり仕事は「うんと」遅くなり走ることは「できなくなった」「帰宅」だけは「非常に早く」なったこれは自分的には嬉しくない美点である

「一般的に」言えば私はかなりダメ人間になってきていることになる。لكن、嬉しいことに一方で「遅い」生き方を提唱する人々も増えている無理やり短くまとめると「遅い」生き方の方が環境に優しいというのである車よりは自転車をである

私の場合環境に優しい生き方をことさら提唱しているのではなく単純に早く出来ないだけ。لكن、「遅い」ことが私の新しい生き方になってきたのだと考えれば案外軌道は合いそうではた目ほどダメ度を気にする必要も無さそうなのである

 

絵画教室の人々- 4

「微風」(部分)水彩

先輩がある展覧会で受賞したみたいですすっごーい!なんて思ってクラスのお友達数人と見に行った

これ?…すっごーい下手くそな作品ばかりの中先輩の絵の横になんとか賞と書かれた金色の札が下がっていた喜んでいいの?賞など蹴っ飛ばせばいいのにと思うくらいにまわりの絵がひどかったあの中で賞をもらって嬉しいかなーなんて思ったが会場で会った先輩の顔が光り輝いていたから全員で「おっめでとー!」としか言えなかった

次のクラスの時あらためておめでとうをいう前に先輩が唇の前に指を立てただから私達も何も言わなかった。لكن、そのことが私には先輩の受賞そのものより嬉しかった

だってあの中で賞を貰って舞い上がってたりしたらちょっとがっかりだったものさすが先輩すっかり見直しちゃった

لكن、先輩の絵のどこがいいのかわたし本当は良くわかんないんです

絵画教室の人々−2

野の草 水彩
野の草 水彩

※これは架空のお話実在の人物とは何の関係もありません

ある日先生が薔薇を画題にと持ってきた花を見るのは好きだが描くのはどうも苦手だ何より棘があるのが気に入らないちくちくと痛そうで腕も筆も動かなくなる

先生は別に薔薇を描かなくてもいいとは言うが他に何のアイデアも無いので薔薇を描くより道はない…。لكن、لكن、である今日に限って何だか上手く描けるじゃない?ふふっだてに長年やってるわけじゃないって実力がついに…!思わず鼻歌が出そうになるのをこらえつつ夢中になって描いてしまったふう程よい疲れってこれよね

次回まで花は咲いていてくれないから一気に描けるところまで描くのが花を描くコツ腕まくりをして思わず前のめりになった時「あれー?それ私のキャンバスー」スの音がスーッと伸びた椅子の後ろに私のニューキャンバスが純白の美しさを放っていた…