

滲みやグラデーションはもっとも水彩らしい表現の一つ。滲みもグラデーションもコントロールの難しいテクニックですが、これを避けては通れません。頑張って乗り越えていきましょう。
maar、失敗した時、ちょっとしたリカバリーの仕方を知っておくと、気持ちがだいぶ楽になることは確かです。水辺1はべつに失敗したわけではありませんが、シンプル過ぎて、何かひとつ物足りない感じがしませんか。
Maar、モノを加えたり、画面を洗うように上に新たな色を重ねたりするのは、絵の狙いそのものが変質したりなど、それなりのリスクがあります。水彩は大胆な破壊が大ジャンプを呼びやすい画材ですが、毎回大胆な破壊ということは無計画そのものということでもあり、それ自体心理的に負担かも知れません。
水辺2は、そこに小さなアクセントを持ち込みました。白はガッシュでもいいのですが、アクリルのライト・モデリングペーストとチタニュウムホワイトの混合がお勧めです。ペインティングナイフを使い、エッジはマスキングテープです。
ガラスを一枚置いて見ているような感じがしませんか?白によって暗い色も輝きと透明感が増したように、自分では感じますがどうでしょう。
小さく、静かなリカバリーに見えますが、テクスチャーを変え、見え方の視点を変えるなど、考え方としては案外大胆なんですよ。でもかたちが小さいのと、縦横だけに限定してで動きを抑え、色も白だけなので(上にかすかに水彩を加えた」)おとなしく見えているのです。一つのリカバリー法として使えるんじゃないでしょうか。