あしたのジョー

ここのところウォーキングしていないせいか腰がまっすぐ伸びない感じですっかり歩くのが「下手」になってしまった歩けないわけではないがタガの外れかかった木製の人形の腰から上が折れたように、30度くらい前に倒れた格好でガクガク歩くのであるそんなふうにして自宅から約1.5㎞ほどのところにある書店まで行った

話題の本が並んでいるコーナー高齢化社会を反映してか、70、80代向けの本も結構並んでいるペラペラとめくってみると多くが「がんばらない方が長生き(生き生き)する」と語る「老人向け『啓蒙』書」!頑張らない生き方をするためにはこれを読んで頑張りましょうというブラックジョークか

リスキリング(re-skilling学び直し)だのなんだのと、50、60、70代を再戦力化するための「ケイモー」書の類その棚でカバーの文字が180°ひっくり返っている目次を見ると「歳をとったと認識して頑張らず自分らしく生きる」ための方策がずらり(英語など語学の)勉強せよ毎日歩けパソコン使え好奇心持て云々なんのこっちゃ?そんなラジオ体操みたいに他人のリズムに合わせて「自分らしく」生きられると思ってんのか?自分って誰?要するにカバーは変わったが中身はまったく同じものなのだった勝者になれ!常にファイティングポーズを取れ結局はそれしかないのだ

Por、現実はたぶんそれが正しくそして多くの人にはそれが出来ないだけのことなのだ小さくファイティングポーズを取って小さなジャブで満足するか大きく構えてKOされるかのどちらかどっちになろうと「啓蒙書」の人々の知ったこっちゃない彼らこそ勝者になろうと必死にファイティングポーズを取るしかないと信じているからである養老孟司(たけし)さんが書いている「一匹の虫が飛んできた元気だそれ以上なにが必要だと言うのか」99.99%の人には無縁の言葉だがそれもひとつの真実ではあるに違いない