
絵は、絵画教室のある施設の一部がモチーフ。屋根からの明り取りにつけたパーゴラが、下の円柱に投げかけた影のかたちの面白さをテーマに試作してみた。
「ン十年間ずっと努力し続ける」なんてことはやったこともないし、わたしにできるとも思わないが、世の中にはちゃんとやる人がいる(少なくとも伝記の類を読めば)。そういう人はたいてい(様々な意味で)偉い人になっている。続けるだけで立派だと思うのに、結果まで残しちゃって、素直にすごいなと思う。
アクセントという語は、語学用語では「強調」という意味でも使われる。わたしは「強調」がちょっと得意?かもしれない。地道な努力は続けられないが、ときどき気の利いた猫パンチをちょっと見せるってやつ。「お調子モン」というほど鋭い即興力はないが、遅れ気味に人を笑わせるくらいのゆるいジャブで。
「人生にもアクセントが必要だ」とどこかで聞いたことがあるような気がする。この場合のアクセントとは「ハイライト」に近い意味だろう。一生のうちに何度か自分が目立つ瞬間があるといいな、ということだと解釈している。なるほどそうかも、とも思うが、どうやったらそういう瞬間を持てるようになるかって考えると、やっぱり「ン十年間・・・」に戻ってしまう。語学ではアクセントと似た意味の語に「ストレス」というのがあり、同じく「強調」と訳されるが、これとアクセントと入れ替えると「人生にはストレスが必要だ」ということで、わたしのようなナマケモノには絶望しかなくなってしまう。
円柱に落ちたパーゴラの影は太陽の動きとともにかたちを変え、太陽が雲に隠れれば一瞬で消える。ハイライトであり、一瞬のアクセントであり、いつでも見られるわけではないというストレスがある。見る側の心にもドラマが生まれる。