何を見ているのか-3

ボス「聖アントニウスの誘惑」のプロセスから

たとえばボス(レオナルド・ダ・ビンチとほぼ同時代ながら中世の幕を最高の形で引いた人と言っていいだろう)。20世紀のはじめシュルレアリストたちによって「再発見」(=賞賛)されたのは彼らがそれまで戦っていたアカデミックな絵画とのズレからではなかったか

ルネサンス以後に確立されたアカデミックな世界観から逃れ出る道を探していたシュルレアリストたちにこんな方法があったのかと「再発見」されたのだボスの絵も広く言えば油彩ではあるがその単純原始的な方法はイラストの手法の原点でもある

ボスの絵がなぜ今新しいかと言えば現代の絵画視覚がアカデミックな油彩表現からより単純なイラスト的表現に向かっているからだ人類は人工知能の支配下に置かれるのではないかという近い将来への不安を前に難しい職人的技術なしに誰でも描ける手法が人類の最後の表現にとって必要不可欠だと直感させるからであろうそう考える人も現実はこれまでの視覚の中に生きているそのズレが新しさを感じさせている

しかしボスの作品そのものは当然ながら「誰でも描ける」ものでないことは言うまでもない

 

Објавено од

Takashi

Личниот блог на Такаши。Не само за слики、Она за што мислам секој ден、она што го чувствувате、Пишувам што ќе ми текне。Овој блог е трета генерација。Од самиот почеток, поминаа повеќе од 20 години.。 2023Од 1ви јануари、Засега решив да пишувам само на непарни денови.。Ќе размислувам за мојата идна насока и за други работи дел по дел.。

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