プラチナ・ジュビリー

晨春会展も無事終了乾杯!

英国・エリザベス女王の即位70周年を祝う祝賀行事が4日間の国民の特別休暇とされたその最終日のパレードとバッキンガム宮殿のバルコニーから手を振る、96歳の女王の姿が全世界に向かって放映された

「英国とは何か」を深く象徴的に感じさせるシーンだったヨーロッパはいま二つに分かれウクライナの地で戦争中だイギリスは相当の負担を自らウクライナに注いでいる「でもそれとこれとは別だ」というあたりまえのようだがいざとなれば決してあたりまえには行えないこのような「(女王とはいえ)個人的行事」をいま堂々と誇示する「プライド」にそれを感じる

経済力から言っても政治力から言っても軍事力から言ってもかつての大英帝国はもう世界のベストスリーには数えられないにもかかわらず第二次世界大戦中ドイツから爆撃やロケット攻撃をうけてドアも壁も吹き飛ばされたロンドンのレストランが「間口を少し広げました」と掲げたジョークに込められたいかにも騎士的な精神がこのプラチナ・ジュビリーにも根太くつながっていると感じるたとえば軍事力のような眼に見える力だけが力ではない在位70年ぶっきらぼうで時には冷たい皮肉屋のイギリス人と一見矛盾するかのような「前近代的」君主制度「それが俺たちさ」と誰に対しても普通に言いそれが敬意とある種の羨望を伴って世界中に受け入れられる国が英国以外のどこにあるだろうか

イギリスは合理主義の国だ。aber、実は矛盾も不合理もあるいは他の国よりも重く深く抱えているようでもある世界をいったんはまるごと飲み込んできた桁外れな度量の大きさと死にゆく巨象の眼を覗き込むようなどこかに哀しみを含んだその歴史。70年かけて女王の存在を「諾」と祝福しつつ決して単純なお祭りに終わらないイギリスの深さを感じさせた