
「きれいで、気持ちの良い絵って、悪い絵なんですか?」と時々聞かれる。natuurlik、Nie so iets nie。質問者は絵を描いている人。自分できれいだなと思うものを、気持ちよく描くと、先生や仲間に、そんなの面白くないと言われることに、時々疑問を感じつつ描いている。ある日とうとう聞いてみた。
そんな人はきっとたくさんいるはず。結論はすでに述べた「そんなことはない」。それなら「そんなの面白くない」という人が間違っているのかといえば、そんなこともない。dit is、描く側か見る側かの「立場」によって見方が変わる、ということに関わる問題でもありそうだ。
「創作する」というのは、簡単にいえば「新しいこと(もの)を作り出すこと」。ふつう絵を描く場合、誰かのコピーをしているのでない限り、自分の見たもの、感じたものをとりあえず真っ白のキャンバスに、自分勝手に描く(たとえ出来が不満足でも)。一方「鑑賞」とはまず「観る」ということだが、嫌いな絵はとばしても、好きな絵はゆっくり心ゆくまで楽しむ。それが基本的な鑑賞の態度だ。そこでは「新しさ」や「自分勝手」など探し出す必要もない。ただ好き好きに従って味わえばそれでよい。
Daarom、最初の質問はこう言い換えられるかも知れない。「きれいで、気持ちのいい絵を見ました。私もあんなふうに描きたいのですが、それではだめなんでしょうか?」。今度はこう答えよう。「だめです。それでは創作になりません」。気持ちの良し悪しではなく、「そんな風に」がダメなのである。少なくとも「自分流」でなくてはダメなのである(実際はとても難しいことだが)。厳しいといえば厳しい。でも助け舟。自分流を押し通せば、きっと楽チンで気持ちいい。矛盾することではないのだ、miskien。