
「北風と太陽」というイソップの寓話のことは多くの人が知っている、ek dink。どちらが強いかを互いに譲らない北風と太陽が、厚いコートを着て歩いている旅人を指し、「どちらが彼のコートを脱がすか競争しよう」という、あの話である。
国際社会を見ると、太陽はずっと遠くに行ったきり行方不明。北風だけがいくつも立ち上がり、お互いの強さだけを競い合っている。北風の吹きつける風の強さ、冷たさはイソップの時代よりはるかに進化し、AIを駆使して周到に仕組まれた作戦によって、一瞬にして旅人は凍ってしまう。
どちらが先にコートを脱がせるか、がルールだったはずだと弱い北風が言うと、「そんなルールなどオレには必要ない」と強い北風はその場でルールを勝手に変更してしまう。イソップの時代には普通だったそんな横暴を変えたいと、彼が作った寓話がむしろそれ以前の状態に戻ってしまったことに、彼はどんな言葉を発するだろうか。
今日は一日中強風が吹き荒れた。最近の日課になった自転車散歩も、出かけてはみたものの強い向かい風でさっさと退散してきた。けれどホトケノザは群がるように道の端を埋め、ところどころに水仙の花が揺れている。もう凍えることはなさそうだ。一昨日は「皆既月食」。すっかり忘れていたが、遠くにいったままだと思われていた太陽は、そんなところにひょっこり顔を出していた。