

石丸康生さんの個展に行ってきた。涼しいと思って出かけたが、台風23号の影響か、意外に蒸し暑かった。石丸氏は相変わらず?お元気で体力モリモリそうだった。相変わらず、というのは展示された作品たちから発するエネルギーが、前回に比べても少しも衰えていなかったから。
いつものように大きめの作品がずらりと並べられていて、一見単純な仕事のようにも見えるが、よく見ると実に繊細で、存分に時間をかけているのがよくわかる。
制作の動機には、第二次大戦時、日本軍の特攻兵器「人間魚雷-回天」の基地であった大津島の存在と、自身の成長期とが深く関わっているという。Tetapi、見る人はそんなことを知る必要はない。ただ素直に作品に対すればよい。
作品から感じるのは「傷」。痛みのイメージとかではなく、傷がそこにあること。あえて暴くように見せつけるのでもなく、あえて隠そうとするのでもなく、そこにある傷を見る。飽くことなく、また淡々とでもなく深く傷そのものに共感(しようと)する。そんな作家の姿勢、視線を感じる。