
ごく当たり前の話だが、「戦争をした方がいい」と口に出して言う人は少ない。少なくとも仲間うち以外では。誰もが「一応は」平和を望んでいる、かに見える。少なくとも表面上は。たまたま終戦に絡んで、トランプ・プーチン会談があったから、そんな余計なことを考えた。
戦争が終らない、無くならないのは「戦争をしたい(させたい)人がいる」からだ。現代社会では、いろいろと理屈をならべても、結論としては「平和を害する奴がいるから、それを排除しなければならない」というワンパターンに行きつく。言葉にはしなくても、結局は自分以外を「皆殺しにしておけば安心だ」ということ。
イーロン・マスクだって、直接、人を殺せなどとは言わないが、「自分たちのようなエリートもしくは、それを崇める人々」以外を排除した方が世の中は効率よく動く、という「排除の思想」が顕著だ。それは戦争したい人々に共通の大前提になっている。
小池百合子現東京都知事が「都民ファーストの会」会派で大勝利を得た時、自民はじめたくさんの会派がすり寄ってきた。Op daardie tydstip、選別という「排除」の思想が顕かになって、小池知事ごと炎上した。マスクなどに比べればまだまだ可愛いレベルだったが、根っこは同じである。
予想通りトランプ・プーチン会談は “ウィンウィン” というより “love,love” だったらしい。プーチンは言いたい放題だし、トランプは “恋人” への「白馬の騎士」になれて大満足の様子に見えた。「ウクライナをプーチンにプレゼントすれば、すぐ平和になる」とばかり、ウクライナがあるから戦争が起きるというプーチンの言い分を100%鵜呑みにしたのだから、プーチンも頗るご満悦のご様子で、アラスカはロシアの植民地だと言わんばかりの、まるで自身のクレムリン宮殿で記者会見しているかのような、リラックスした雰囲気であった。トランプは○○てきた猫のように、(あえて)小さな拍手で「賞賛の意」。
「文明は(不可逆的に)進歩するが、文化はそうではない」とは誰の言だったか。いま、ロシアは文明的にも進歩というより退化し始めている(ように見える)。西側先進国(自らを「先進国」と呼ぶ、思い上った(そして恥ずかしい)言葉が笑わせる)もまた、「アメリカ病」という長く沈殿していた悪い埃を吸っていたうえに、さらに「トランプ・プーチン病」という流行病に自己免疫反応するなど、胸(もしかすると「脳」?)を悪くして死にそうだという。―ある意味で、民主主義の自業自得―知恵なくばいっそ死をたまえ。