チャットGPTという話題が広まっているので、知っている人も多いと思う。ものすごく簡単に言うと、検索したいことを「言葉に出して」(パソコンに)聞くと、ほぼ何でも「言葉で」教えてくれるソフトのこと。アメリカの「OpenAI(オープン・エーアイ)」という会社が、昨年11月にAI(人工知能)を使った、自動応答ソフトのプロトタイプとして一般公開、研究者たちの間でも「これはすごい」と一気に評判になったものらしい。
どうすごいかというと、まずこれまでの人間とコンピューターでは不自然な会話しか成り立たない感じだったのが、人間どうしが話しているのと区別がつかないほどのレベルだという。そして(コンピューターは「論理」で動いているのだから)当然だが、人間よりはるかに論理明晰。かつ、蓄積されたあらゆる知識を総動員して、「ちゃんとわかる言葉で」言語化してくれるのだという。学者にしてみれば、ちょっと確認したいことなどあるとき、助手などよりはるかにスピーディで信頼できる助っ人になると、容易に想像できる。医者、法律家、教師などにとっては助っ人どころか、まさに「生き字引」になり得る。手放せない人がたくさん出始めたという話も嘘ではないらしい。もう月額2500円ほどの料金で利用できるようだ。
アメリカでは学生が与えられた課題、宿題などに利用し、その回答の素晴らしさによってかえって「悪用」がバレ、学校関係者からは、教育にとってマイナスに働きかねないので禁止すべきだという動きも出ているというが、どちらもなるほどと頷ける。
けれど、宿題、課題などの解答などへの使用などごく小さなもので、それをハードにも使えば、(特定分野なら)検索から処理まで完全にやれるようになるのは時間の問題という学者もいる。「ユビキタス社会」という言葉を覚えているだろうか。ఇప్పటికే、ほぼ死語になっているが、そのユビキタス社会がいよいよリアルに実現することになりそうなのだ。
問題はその「政治利用」と「軍事利用」。日本の国会を見る限りでは、国会議員を全員辞職させ、ChatGPTを導入した方がはるかに実のある、国民のためになる国会になりそうな気がしてきた。
チャットGPTを開発したOpenAI社はマイクロソフト社の傘下にある。チャットGPTは一種の検索エンジンでもあるから、あの検索最大手のグーグルが、これに相当のシェアを奪われるとの見方が広がりつつある。このような世界規模の大きな可能性をもつチャットGPTだが、なぜか日本は完全に蚊帳の外で、「マイナンバー」一色。政財界、マスコミ含めほぼ「他人事」だという。日本のAI研究者たちは「今ならまだ間に合う」と日本の積極参加を促しているのだが、デジタル庁、総務省なんてどこを向いているのか、あほらしいマイナポイントで調子に乗って、SNSの利用にもマイナンバーを紐づけるとか言いだし、「後ろ向き」どころか完全な「時代錯誤」。もっと、前をよく見て、国民の将来にプラスになるような仕事をしてもらいたいものだ。
まず、国会にチャットGPTを導入し、「現在の日本に国会議員は必要か」と尋ねてみたい。その回答に対して、まともに議論できる議員が一人でもいるかどうか見ものである。